玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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2015-01-01から1年間の記事一覧

灯台

▼小津安二郎監督の「浮草」を観た。「浮草」とは、ある田舎町を訪れた旅回りの一座の話。感想については「映画の感想」に書いたものの、ちょっと気になったことがある。冒頭、田舎町の灯台が映し出される。白い灯台を異なる距離と方向から撮っている。なんで…

マンネリ

▼今日も今日とてアメリカの脱獄ドラマ「プリズン・ブレイク」のシーズン2を観る。シーズン1の段階でプリズンはブレイクしたわけであって、2は普通に逃げておる。 アメリカや韓国ドラマの長所とも短所ともなる点ですが、評判がいいと無理矢理続けていく。…

留守番

▼一緒に仕事を請けているN氏の家へ。N氏が実家に帰らなければならない用事があるとかで、飼い猫ホームズの世話を頼まれる。「おまえしか頼める奴がいない。他にヒマそうな奴がいないんだ」という正直な言葉。正直は美徳というがあれは嘘だね。もっと嘘をつい…

贅沢

▼お世話になっている会社へ。12月10日、立川にオープンした巨大な商業施設「ららぽーと立川立飛」のことが話題になる。近所ということでもないが、わたしの家から行けないこともない。「でも、しゅんさん(わたしのこと)は、ああいうおしゃれな場所は関係な…

会長

▼前にいた会社の会長のところへ。もう八十半ばを超えたと思うが矍鑠としている。会長と出会ったとき、すでに会長は老人だった。なので、老けたかどうかよくわからない。老人というのは、ある時点からずっと老人である。ただ眼光は鋭く、話していると試されて…

ゾンビ

▼友人Nと話す。最近またゲームに、はまっているらしい。ゾンビをひたすら撃ちまくって休日をつぶし、夕方になって後悔するという繰り返し。 ついに「このままではいけない」とコントローラーを置いた。だが、それは朝の5時という。元気がありあまる高校生で…

夢の中

▼どうしても遅刻できない用事があり、ベッドの脇に目覚まし時計をセットして寝た。緊張したのか早く目が覚め、机の上の時計を確認するとまだ午前5時。もうちょっと寝られると再び眠り、また時計を確認すると5時15分。そんなことを4、5回繰り返しただろ…

▼知り合いの家にお邪魔する。猫が四匹いる家だった。三匹は何年も前からおり、一匹は庭先で怪我をしていたものを先日拾ったばかりだという。痩せて目ばかりギョロギョロして、まだ野生が抜け切ってない様子の黒猫だった。歳は二歳になるかならないかという。…

お金って何?

▼サンタクロースは、他人の靴下にプレゼントを入れるとき激しい性的興奮を覚えるから、プレゼントのお礼を言う必要などまったくないんだ、あいつは善人のフリをした変態なのだ、という設定を考えたが使いどころがない。なぜこの設定を思いついたのか、自分で…

借家

▼焼いた切り餅を皿に載せる。そのときに餅が皿にくっつくのが気になっていた。どうせ海苔を巻いて食べるのだから、あらかじめ皿に海苔を敷いたところに餅を載せれば皿も汚れない。やってみたらうまくいった。新発見である。むしろ、なぜ今まで気づかなかった…

花入れ

▼お世話になっている会社の部長から頂いた花入れがある。赤茶けた徳利を太らせたような丸々とした花入れ。ちょうど掌に乗る大きさで、大きすぎず小さすぎずちょうどよい。部長が自分で焼いたそうで、何年か前に頂いて自室の机に飾っていた。PCに向かっている…

拒絶しない人生、わかりやすく説明する練習をしよう。(リー・ラフィーヴァー)

▼時間が空いたので床屋へ。入ったことのない店に飛び込む、それもまた修行。最近は、拒絶しない人生を目指している。床屋に「短めで」とお願いした後、相手の言うことすべてに同意する。「バリカン入れちゃっていいですか?」「左右もバサッといっちゃってい…

地図

▼女子大生バイトあたしちゃんがバイトを辞め、代わりにあたしちゃんの後輩が入っていた。後輩ちゃんと呼びたい。張り切っているがまだ仕事も与えられず特にやることもないらしい。打ち合わせ場所の印刷を頼んだら、なぜか手書きの地図を渡された。急いでいる…

坊主

▼健康診断終了、結果は後日。急に肘が痛くなったり、なんだかよくわからないまま治ったり、40歳近くになるといろいろ体の不調が出てくる。不調は頭のほうにも出ている。コントを見ても面白さがわからないものがある。感性や理解力が落ちているのかもしれな…

作文

▼時間が足りない。なんで一日は二十四時間しかないのだろう。せめてあと三時間あればなあ。え、この歳でそんなこと言う? あなた、もうすぐ四十ですよ。というわけだが、それでも言うのだった。中学の頃から変わってないな。もう変わりたいとか成長したいと…

祖母の手紙

▼押入れから祖母の手紙が出てきた。祖母にはずいぶんとかわいがってもらった記憶がある。手紙は小学生のわたしに宛てて、ひらがなの多い字で書かれている。祖母がどういう教育を受けていたかは知らない。中学校を出ているかどうかもわからない。ただ「りっぱ…

引退、ゆるキャラのすすめ。(石井一久)

▼今年はたくさんの野球選手が引退する。中日からも山本昌、谷繁、和田、小笠原、朝倉などが辞めることになった。引退はしなくても、岩瀬は一度も登板せず、吉見はあまり投げられず、浅尾も今一つの成績だった。もはやわたしの好きだった中日の選手はあまりい…

アシュレイ・マディソン自己紹介bot

▼秋の五連休。シルバーウィークと言い出したのはいつからなのだろう。子供の頃には言われていなかった。ちょっとずついろんなことが変わっていく。 連休中は、久しぶりに友人Nと会った。Nは江戸川区に引っ越した。駅まで迎えに来てくれたNと、ぶらぶら歩く。…

説明

▼「説明」についての本を読んでいる。著者は理屈っぽい人で、「説明」とは何かを語る前に、まず「説明」を定義しなければならないとある。それはそうだ。そして、説明とは何かを定義するためには「定義とは何かを定義する必要がある」と書いてある。なかなか…

失敗

▼「若い頃の失敗はいくらでも取り返しがつく」といいますが、あれは、若い頃の失敗ならまだかわいげもあるから許してもらえる、だからいろいろやって失敗してもよい、そんな意味にとってました。実はこれはもう一つ意味があるのではないか。ちょっと前に一緒…

お金を使う

▼プロジェクトが終わり、慰労でキャバクラに連れて行ってもらう。キャバクラは苦手だ。キャバクラに行くならバンジージャンプでもしているほうが気が楽だ。連れて行ってくれた営業の人の手をキャバクラ嬢が揉んでいた。「ゴツゴツしてる。働き者の手だね!」…

サンドイッチ

▼ツナサンドばかり食べている間に9月になった。涼し。サンドイッチといえば、ジャポニカ学習帳に書いてあったコラムを思い出す。ポーカーが好きなサンドイッチ伯爵がポーカーをやりながら片手で食べられる物を作らせたのが始まりだという有名な話。小学生の…

大事

▼昨日は鰻を食べた。寿司、鰻、寿司、鰻、飽きるとすき焼き、そして寿司、鰻の日々である。いいかげん飽きもする。たまにはジャンクフードも食べたい。なぜそんな反感を買うような嘘を。ずいぶんと久しぶりに鰻を食べましてね。というのも、ちょっとしたお祝…

計画的

▼友人夫婦の子ター坊(小学校6年)と話す。ター坊は、夏休みの宿題をきちんと夏休みの日数で割って、計画的にやっている。恐るべき子よ。仕事のスケジュール管理のようである。将来は、デキるビジネスパーソンか。携帯端末で「日経電子版」を読むような大人…

体育会系

▼一緒に仕事をしていたOさんという女性が辞めた。Oさんはショートカットで少年のような雰囲気の女性だった。彼女と組むとき、やや思いつめた表情で「わたし、同性愛者ですけど大丈夫ですか?」と言われたのを憶えている。以前に、同性愛者ということでトラブ…

イエスマン

▼仕事を頂いている会社で打ち合わせ後に雑談。ワンマンな社長で勢いがある。「うちにはイエスマンがいない」と自慢げに言っていた。本当にそうなのだろうか。会議中、社長の提案はほぼすべて通ってしまった。社員からいくつか対案が出たものの、とりあえず言…

▼友人夫婦の子シラスちゃん(5歳)と話す。将来の夢は「お嫁さん」などと言っていたので「お嫁さんというのは、ちゃんとした言葉で言うと『人妻』と言うんだ」と嘘を教える。5歳だとすぐ信じる。シラスちゃんは「大きくなったらヒトヅマになる!」と嬉しそ…

ドミノ倒し

▼日記を書いていないので書かなければと思う。日記を書かないとどうなるか。ブログのトップに「婚活のススメ 今ならまだ間に合う!」などと広告が出て、たいそう不愉快な気分になるので書く。人は意外な動機で書く。そんで、もう手遅れだと思います。▼岐阜市…

七夕

▼友人夫婦の家にお邪魔。夕食の食材を買いに一緒にスーパーに。スーパーには短冊が飾ってあった。友人夫婦の子シラスちゃん(5歳)も、その場で短冊を書く。「あしがはやくなりますように」子供の頃は足の速さに価値があった。シラスちゃんは、自分の短冊を…

悪女の素質、祖父の日記

▼友人夫婦の家にお邪魔。友人夫婦の子シラスちゃん(5歳)と話す。食べ物の話をしていると「それってシラスとどっちが美味しい?」と訊かれる。彼女にとっての基準は、シラスよりうまいかまずいか、シラスプラスマイナスで測られる。すてき。フォアグラやキ…