玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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拒絶しない人生、わかりやすく説明する練習をしよう。(リー・ラフィーヴァー)

▼時間が空いたので床屋へ。入ったことのない店に飛び込む、それもまた修行。最近は、拒絶しない人生を目指している。床屋に「短めで」とお願いした後、相手の言うことすべてに同意する。

「バリカン入れちゃっていいですか?」
「左右もバサッといっちゃっていいですか? ほんとに?」
「上はちょっと残すぐらいで?」

すべて同意する。べつにそこまで短くしたくないのだけど、もう決めてしまったものは仕方ない。だが、床屋の「(ラグビーの)五郎丸みたいにしちゃいます?」というのには一瞬ためらった。流行に乗ることもためらいがあるが、五郎丸選手のととのった容貌があってこそのあの髪型なのではないか。わたしがやって大丈夫なのだろうか。だが、すべてに同意すると決めてあるのだ。悩んだ後、しぶしぶ「はい‥‥」と答える。床屋にしてみれば「なんでコイツ、こんなに不機嫌なんだろ」と思うかもしれない。申し訳ない。

結果、駄目だった。五郎丸ではない何かが鏡の向こうにいた。左右、後ろにバリカンを入れられ、頭頂部だけはややモヒカンのような感じ。五郎丸というよりアメリカの海兵隊っぽい。ハリウッド映画でこういう人よく見た。まったく五郎丸に似ていないので、まさか五郎丸カットだとは誰も思うまい。海兵隊だと思うかもしれない。

そのまま仕事を請けている会社に行く。髪を切った後はふつう「サッパリしましたね」とか「イメージ変わりましたね」とか言われそうだけど「どうしたんですか?」と言われる。どうもしないわ。「海兵隊みたくしてくれって言ったらこうなった」と答えている。「え、なんで海兵隊みたいに?」とか「なんでそんな短くしたの?」とかいろいろうるさい。通りすがりに頭をジョリジョリなでていく人間がいる。わたしが海兵隊なら撃っている。命拾いしたな。

拒絶しない人生について考えている。あれはあんまりよくない。



わかりやすく説明する練習をしよう。(リー・ラフィーヴァー)

この本は「説明」についての本です。日常、誰しも当たり前にやっている説明ですが、だからあらためて説明について考えたことがなかった。相手に伝わりやすい説明とは何かを考えてみるのにいい一冊でした。

相手の理解度を考えず、難しい専門用語を使ってその場を支配したいとか、賢く見られたいとか、やりがちな間違いについても指摘してある。結果、相手を萎縮させるだけになる。言われてみれば簡単なことですが、なかなか自分では気づけない。説明の根底になければいけないのは、相手への思いやりなのだろう。
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