玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ドミノ倒し

▼日記を書いていないので書かなければと思う。日記を書かないとどうなるか。ブログのトップに「婚活のススメ 今ならまだ間に合う!」などと広告が出て、たいそう不愉快な気分になるので書く。人は意外な動機で書く。そんで、もう手遅れだと思います。


岐阜市立図書館のオープン記念に、本でドミノ倒しをしてギネス世界記録更新というニュースを見る。いろんなギネス記録があるものだ。思えば世界記録認定ビジネスというのは、いい商売である。世界記録ならばなんだっていいのだろうか。1時間ごとに必ず誰かの悪口を言うとか、そんなんでもいいのかしら。認定されたくない。

本でドミノ倒しをするというのは、最初に見たときはあまり気分がいいものではなかった。わたしは特に本を丁寧に扱っているわけでもなく、どちらかというと雑に扱っていると思う。それでも自分の中に本に対する信仰のようなものがあったことに驚く。やっぱりどこかドミノ倒しには抵抗があるんだなあ。クレームつけてまでやめさせようとは思わないが。

案の定、ネット上ではちょろっと揉めている人たちもいる。今求められているのは徹底した無関心なのではないか。自分が持つ権利が害されたとき、初めて何かに対して文句を言う資格が生まれるように思う。

内田百閒は、本について「何か高尚なもののように思っていたけど、目から人のお喋りを聞いているようでうるさい」と書いている。だが、一冊の本によって人生観が変わったり、自殺を思い止まったりする人もいるだろう。人それぞれでしかない。重要なのは自分の信仰を押し付けないことしかない。「押し付けない」ということをどんどん押し付けていきたい。押し付け主義者を弾圧したい。よくわからなくなってまいりました。