玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

出てこない

▼「10月の最後にある、あれなんだっけ? 悪魔の日みたいなやつ」と、アルバイトの女の子に訊ねた。「ハロウィン? ハロウィンて言葉出ないのヤバくないですか」と言われる。歳をとると言葉も出なくなる。若い人たちに介護されながら生きているのを感じる。…

パソコンを買った

▼パソコンの異音がひどいので、ついに新しい物を注文した。選んでいる最中に異音がしてきたので、焦って選んでしまった。この選択がこの先5年ぐらい効いてくる。今更いっても時すでに遅しですけど。もう買っちゃったんだもの。 よくわからないがファンとCPU…

パソコンを買いたい

▼あまりの寒さに電気ストーブを出す。ステンレスの桟をはずし、ほこりを掃除する。電源を入れると、取り切れなかったほこりがヒーターに焼かれて焦げる臭いがした。冬の味覚でもなく、吐く息の白さでもなく、焦げたほこりの臭いで冬を感じる。今年も残りあと…

野球が好きだった人たち

▼頼んでもないのに来るんだよ、冬は。寒し。布団のなかでうだうだしていたい季節になった。 「俺たちの仕事に創造性なんていらねぇんだよ! アンパンマンの顔を作るみたいに何も考えないでおんなじ物作ってりゃいいんだよ!」と、えらい剣幕で怒られる夢。と…

豚は鳴き声以外捨てるところはない

▼寒い日にカブのクリームシチューを食べると幸せな気持ちになる。ほほほ。カブの甘味が美味しい。温かいものが嬉しい季節になってきた。 ▼ドイツのことわざに「豚は鳴き声以外捨てるところはない」というものがある。豚は全部美味しく食べられるという、その…

魅力

▼知人のSNSを監視して、その生活が自分よりうまくいっているのを見て妬むのが趣味の卑屈くんが嬉しそうに寄ってきた。彼が嬉しそうなときは、周囲になんらかの不幸があるとき。実写版疫病神を撮るときは是非主演で。 卑屈くんと話していたら、新入社員の出木…

倫理観の敗北

▼いつもと違う餃子を焼いてみた。他の料理と同時進行だったこともあり餃子が焦げた。餃子は羽根つき餃子で、うまくいけばフライパン一面に片栗粉の羽根ができたはず。羽根が全部焦げた。羽根つき餃子を買って、羽根の部分をすべてはがして食べる。なんだろう…

海までの道

▼このまま寝ていると明日のご飯がないと思いながらうだうだする。しかし、今一つ買い物に行く気もしない。 そして日は暮れた。家に残っている食材をあさると、新興宗教にはまっている伯母がもってきてくれた青汁の粉が出てきた。ベーコンとエリンギがあった…