玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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贅沢

▼お世話になっている会社へ。12月10日、立川にオープンした巨大な商業施設「ららぽーと立川立飛」のことが話題になる。近所ということでもないが、わたしの家から行けないこともない。「でも、しゅんさん(わたしのこと)は、ああいうおしゃれな場所は関係ないですよねえ」と、半笑いで言われる。全身ブランドで固めているわたしに、なんたる暴言。今日のカバンの中だって、カルビー、森永、明治、ロッテだ。ブランドの申し子。 バカにされたので反抗するためだけにオープン初日に行った。まったく興味がないのに行った。服を中心に、雑貨、家具、食品、300店舗ぐらい入っているだろうか、朝の新宿駅を思わせるようなすさまじい人混み。焼きたてチーズタルトを買おうと思ったら40分待ちだというので断念。みんなよく並ぶこと。 興味はなかったのに、眺めていたら、それはそれで楽しい。全品50%オフなどという店もあって買いたくなってしまう。ついカバンを衝動買いしそうになってやめる。すてきな服や雑貨ばかりで、見ているときりがない。 韓非子に収録された象牙の箸という話がある。殷の国の受王が象牙の箸を作らせた。それを知った家臣の箕子(きし)はおおいに恐れた。なぜかといえば、箸が象牙で作られたとなると、土器の椀にあわず、必ず犀の角や玉器で飲食器が作られる。 そうなると豆の実や葉の羹(あつもの)などは食べず、うまい牛肉など美食を重ねるようになる。美食から、豪華な衣服、住まいと贅沢はとどまるところを知らぬだろう。箕子は受王の華侈(かし)が拡大していくことを予見した。 欲望に際限がないとすれば、どこで歯止めをかければいいのだろう。現代人は満ち足りているのに、無理に買っているような気さえする。え、そんなおおげさな話?

 

帰りがけにセブンイレブンで100円ちょっとの「ミルクたっぷりとろりんシュー」を買う。んまーい!  溢れんばかりのクリーム、なんという贅沢。贅沢は体に悪い。これは月一にする。

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