玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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おじいちゃんの日記

▼関東地方も梅雨入り。肌寒かったり、蒸し暑かったり、忙しい。

 

ピーマンの肉詰めを初めて作る。子供の頃、友人の弁当に入っていて憧れていた。なんだか、やけに凝った料理に見えて、美味しそうだったのだ。私の母は料理が得意なほうではなく、また仕事も忙しかった。ピーマンの肉詰めを作ってほしいとは言い出せなかった。ふと思いついて、自分で作ったところまあまあ美味しくできた。ハンバーグの具をピーマンに詰め込む感じなのだな。作ってみればなんということもない。「ああ‥‥」という程度の味なのだ。大人になって良かったことといえば、人生で欠けたピースを自分で埋められること。今日もまた小さなピースを埋めた。

 

歳をとればパズルの完成図が見えてくるはずだが、欠けたピースが多すぎてまったく完成図が見えない。ピースはあと6万箇所ぐらい空いている。とんでもない不良品を売りつけられたのではないか。店にクレームを入れている。

 

 

 

▼知人からコロナワクチン接種の話を聞く。周囲では一回目の接種が終わった人が多い。打った後、ずっと風邪のような症状が続くとか、筋肉が痛くて服が脱ぎにくいとか、症状はいろいろ。しかし、ワクチンというのは体重は関係ないのかな。薬ならば子供用、大人用がある。ワクチンは体重を確認せずに打っていますが、体重50キロない人と80キロある人が同じ量を打って大丈夫なのかな。よくわからない。

 

コロナワクチン予約は医療機関によってやり方が違う。頼まれてやっていたのは75歳以上の人たちなんですね。予約が取れても接種会場が遠くの場合もある。足腰が痛いとか、歩くのがつらいとか、いろいろ大変なので、なるべく住所の近くにしてあげたい。個別接種に空きが出ると、近くの医療機関に変更している。ところがこの変更もスムーズにいかない場合がある。

 

ある医療機関では「一回目と二回目のワクチン接種は同じところでやってほしい。一回目のみ、二回目のみの接種はお断り」ということもある。まったく制限なく変更OKのところもある。何か事情があるのだろうがなかなか大変。

 

 

 

▼テレビで格闘技のRIZIN28がやっていて観る。クレベル・コイケ×朝倉未来戦が面白かった。クレベル選手の所属する流派「ボンサイ柔術」というのは初めて聞いた。ずっと格闘技を見ていなかったけどゼロ距離からヒジやパンチを顔面に打っていく技術など以前はなかったように思う。スペースの作り方が上手で面白い。クレベル選手は寝技の選手かと思ったら打撃も上手いんですね。パンチやヒジも良かったが2Rはローをまとめて当てていて朝倉選手が嫌がって引いたところから、うまくグラウンドに引き込んで極めた。

 

スペースのないリング端での三角締めが見事だった。あんな狭い場所で極められるなんて。コーナーに詰まってしまうと、お互いに決め手を欠いて仕切り直しになることが多い。実際、朝倉選手は一度目は狭さをうまくいかして脱出していた。二度目も、グラウンドに引き込まれる際に体をうまくコントロールして、狭い側にクレベル選手が落ちるようにしている。それなのにクレベル選手はあの狭い場所から巧みに三角締めを極めた。技術全体が進歩しているのだろうけど、以前とはもう別物に見えて新鮮。去年は、ふくらはぎを蹴るカーフキックが話題になりました。新しい技術が出てきて、また格闘技を観たくなる。

 

 

 

▼格闘技を観て偉そうなことを言っていても四十肩。おじいちゃんでしかない。右腕の上腕から肩にかけてじんわり痛い。良くなっているようにも思うのだけど、なんだかよくわからない。病気というのは、体にいろんな人が住んでいるようなものだと思う。普段は“健康さん”しか入居していないが、疲労が重なったり、無茶をすると“腰痛さん”“四十肩さん”“かすみ目さん”“痛風さん”“尿路結石さん”などが入居してくる。人気物件すぎる。駅前タワーマンション並みの家賃をとりたい。

 

問題のある入居者を無理に追い出すのではなく、話し合ってあまり暴れないようにしていく。顔を合わせたら、ちょっと挨拶ぐらいしておく。それで問題が大きくなるのを防いでいく。のんびり付き合っていくつもりで接していると、向こうも他にいい物件があったのか、するっと出ていく。柔らかく接していきたい。完全に書いていることがおじいちゃんの日記。四十半ばでこの内容だと、五十は棺桶の中から書いているのではないか。心配。

 

 

 

▼映画の感想『風をつかまえた少年』『めぐり逢わせのお弁当』を書きました。『風をつかまえた少年』はアフリカのマラウイの貧しい村で風力発電を作った実在の少年を基にした物語。江戸時代のような暮らしでなかなか大変。

 

『めぐり逢わせのお弁当』は陰気なインド人の話。インド映画って基本、踊って解決というイメージだったんですけど。そりゃ、陰気なインド人だってアメリカ人だっているわなあ。地味ながらしっかりと作られた二本でした。