玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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水沢ダウン3980円

▼寒いので鶏団子スープを作って食べる。温かいものが美味しい季節。今年は秋がほとんどなくて唐突に冬がきた感じ。

 

寒いといっても東京の寒さなどたいしたことはないのだろう。本当に寒い地域に住む人にとっては、ツララができたらもう春が近いのだとか。あまりに寒いとツララすらできない。ツララができるということは雪が溶け始めているからで、暖かくなっているということらしい。

 

お世話になっている会社へ。「寒い、寒い」といっていたら、卑屈くんが寄ってきた。「寒いですか?」というからうなずくと、卑屈くんは自分が着ている黒のダウンジャケットの襟をつまみ「僕のは水沢ダウンですからねえ」と自慢げに笑った。なんだそれは。検索してみると水沢ダウンというのは10万円以上もする高級ダウンジャケットだった。あまりに高いので驚いた。卑屈くんに訊けば「13万ですよ、13万!」といわれた。強調するんじゃないよ。

 

卑屈くんの潜在能力の高さにも驚く。13万円のダウンを着ても3,980円にしか見えない。お母さんがしまむらで買ってきたやつでは? と疑ってしまう。何を着てもサンキュッパに見えるのはブランド殺しといえよう。逆ファッションリーダー。水沢さんも卑屈くんに着られるとは、草葉の陰で悲しんでいるかもしれない。水沢って工場の名前らしいけど。

 

ともあれ冬である。

 

 

▼大谷選手が着用したユニフォームが833万円で落札されたニュースを読む(THE ANSWER)。

 

当たり前に年収みたいな金額でユニフォーム一着が売れてしまうのだな。以前、WBCで着用したユニフォームは1867万円だから、もういくらでも驚きはないのだけれど。

大谷選手が破壊した電光掲示板の一部

そういえば以前、大谷選手がファウルを打って破壊した電光掲示板も売りに出され、7010ドル(103万円)で落札されていた。この黒い板、いらんだろうよ。もはやなんでもありなのでは。大谷関連ならばファンはなんでも買う。どこまで売れるのだろうか。大谷が座った椅子なども売れそうだし、大谷が歩いた道はどうか、はがして売れば買う人がいそう。大谷が通行人をぶん殴ったバットはどうか。売れる。500万円ぐらいなら売れる。アホは買う。

 

 

▼イチロー選手が今年も女子高生選抜と試合をしている。「一人も打たせるつもりはない」と宣言していて面白い。そういえば自分で投げて打って、大谷のように二刀流をやっているのだな。初めて気づいた。1回から最速138キロを投げていて、去年や一昨年より球速が出ている。相当練習してきたのだろう。楽しそうなイチローを観ているのが楽しい。

 

 

▼歴史をもう少し読みたい。特に世界史について体系的な知識がない。浅くてもいいので一通り現代まで通して学びたい。

 

立松和平のエッセイを読んでいる。昭和から平成にかけての雰囲気が伝わってきて懐かしい。これも歴史の一部なのだろう。歴史にはいくつか種類がある。日本史や世界史の授業で学ぶような歴史、小説家がフィクションを交えて書いた歴史、口伝・言い伝えなどで伝承された歴史、個人が日常を記したエッセイや日記の歴史。

 

国によって学んでいる歴史はまちまちで共通したものではない。本来、共通した歴史を作ることが望ましいが国益の衝突によって統一的なものを作るのは難しいだろう。日本はしばしば中国や韓国と歴史問題で衝突するが、そもそも起きた事件のとりあげかたや意味も、それぞれの国でかなり違うのではないか。同じ事件についても、まったく違う角度から見て、互いの主張を述べているのだろう。

 

結局、何を学んでも欠けたところはあるし仕方ないが、それでも世界史を一通り学んでみたいな。仕事に役立つとか教養としてとか、そんなことではなく、ただ面白い。ただ面白いぐらいすばらしいことはない。本を読んだり、映画を観たり、人の話を理解するのに役立ったり、そういう意味はあるけれどとにかくただ面白い。