玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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風呂でこける

▼お世話になっている会社へ。雑用いろいろ。お金がない会社なので報酬を大きなドングリでもらう。いつか紙のお金をもらえる日がくるのか。

 

会長が登場。「まだ生きてるぞ。わっはっは!」とご機嫌。「ほんとですね」と答えると「そういうことは、いうもんじゃないぞ」といわれる。自分からいったくせにズルい。年寄りだけに許される自虐死亡ギャグ。自分でいうのはいいが、他人にいわれるとむかつくらしい。新しい学びを得た。

 

会長が買い物につきあえというのでお供でドラッグストアへ。奥様が夏バテで、代わりに化粧水を買いに行くとのこと。「ちふれというメーカーだった」というので、店員の方に教えてもらい、ちふれコーナーに。化粧品についてはすべて訊いたほうが早い。あまりに種類が多くて複雑すぎる。化粧水と一口にいってもいろいろあってどれを買ってよいのかわからない。帰ってネットで調べたが、ちふれのものは「さっぱり」「しっとり」「とてもしっとり」「濃厚」「拭き取り用」「美白&さっぱり」「美白&しっとり」などある。複雑すぎて気絶する。こっちは3以上の数を認識できない。1種類で「これ」と指定してほしい。

 

男性用はせいぜい「さっぱり」「しっとり」の2種類ぐらいではないか。難しすぎるぞ。女の人はこんなにたくさんの商品を使い分けているのだろうか。国家資格とかあるのでは。謎。インターネットに使用するLANケーブルは、現在カテゴリ5~8に分けられている。カテゴリによって最大通信速度と伝送帯域が決まっている。基本的にカテゴリの数字が大きいものを買っておけば問題ない。つまり、今だとカテ8になるが、そこまで早くなくてもカテ6A程度で十分である。そういうわかりやすさがないんだよ、化粧水には。反省してほしい。

 

会長に「一番安いのでいいですか?」と訊けば「そういうものではない」といわれる。効果のほどはよくわからないし、高い物と安い物でどの程度の差があるのかもわからない。「じゃあ、一番高い物にしますか?」と訊けば「そうじゃない」という。私がパソコンのマウスを買うとき、値段だけで選んでいるわけではない。安くてもボタンが7つぐらいあって、サイドに2つぐらいついているとか、クリック音が小さいとか、真ん中のホイールが縦だけでなく横にもスクロールできるとか、一応のこだわりはある。化粧水もいろいろあるのだろうな。会長はスマホを取り出して奥様に確認し、しきりにうなずいていた。

 

「わかんないからどれでもいいって」なんでもいいんかい。結果、どれでも正解だったかもしれないけど、会長のわざわざ訊くという細やかさに感心した。どうせ何つけても同じでしょ? と思っていたら、そういう感情は人に伝わるのではないか。会長を見ていると、意外なところに繊細さがある。繊細なジジイが化粧水の「とてもしっとり」を選ぶのを見た。

 

 

 

▼風呂場で転んだ。転ぶことがあるのだな。なんで転んだか考えた。シャワーを浴びたあと浴室から出ると、雨が降っている音が聞こえた。いつもなら浴室の床を拭くのだけれど、急いで洗濯物を取り込んで風呂場に干そうとした。洗濯物を抱えたまま浴室に入ったら、床が濡れていて転んでしまった。足を滑らせたとき、踏ん張りようもないほどつるっと滑ってしまい「なるほど~」と思いながらこけた。これで後頭部をぶつけて死ぬこともあるのだろうな。

 

床が濡れてなければ転ばなかったし、洗濯物が外に干されていなければ慌てることもなかった。二つの出来事が重なって事故が起きた。何かミスをしてもそれが一つでは大事にならないが、いくつか重なって起きることがある。何かとても重要なことを教えてもらった気がする。複数のミスを犯してもいいように、自分の作業の中にいくつもの安全ポイントを設けておけばよいのではないか。いくつかのミスが重なってもよい設計。ギリギリの運用はよくない。それで事故を減らすことができるように思う。今回、頭を打たなかったのは単なる僥倖だった。ひとつこけただけで、ずいぶん得をした気がする。

 

床を拭いた後、換気扇を回して浴室を乾燥させる。以前、林先生の番組で「窓がついてない浴室は扉を閉めて換気扇をかける。○か×か?」という問題があった。わたしは×だと思った。つまり、扉を開けて換気扇をかけたほうが早く乾くと考えた。正解は○で、窓に面してない浴室は扉をしめて換気扇を回すように設計されているということだった。番組を観て、私は扉を閉めて換気扇を回したのだけど、床は乾かなかった。林の野郎~と思いました。

 

ただ、これは私の家ではこうなっているだけで、一般的には扉を閉めて換気扇を回したほうがいいということも考えられる。かわいそうなのは、林先生は私と同じく×(扉を開けて換気扇を回す)を選んでいたということ。番組は間違っていたが、林先生はあっていたことになる。ふーむ。今日は「だから何?」という話をお届けしました。