玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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アイスで露呈する本性

▼最高気温34度の予想。なんとなく「今日はまだいけるな」と思ってしまう。もう完全に脳がバグっているのでは。人は調教されればどんな環境にも慣れるのかもしれない。気候変動政府間パネルは、今後有効な対策をとらないと2100年には現在より平均気温が4.8度上昇するという予測を発表している。世紀末、気温40度で「今日は意外と涼しい」といっている世界があるのか。

 

 

AI画像生成。夏祭り。実際には存在しない異様な街並みが、独特な雰囲気を作り出すのだろうか。

 

 

 

▼この暑さで打ち合わせとは狂気の沙汰。オンラインでよいではないか。都合の良い時間をたずねられたのでもっとも暑い「2時」と答える。逆切れた。今年は「地球の平均気温はおよそ12万年ぶりの最高気温を記録した」(日経新聞)と報じている。樹木の年輪、サンゴ礁、深海の堆積物などから抽出した気候データをもとに推定、とある。適当いってんじゃないだろうな。12年前だったら私にもわかるが12万年だからな。いったもの勝ちではないかと思うほど。だが、アホみたいに暑いという現実はある。

 

夏を満喫するとははたして何かと考えた。打ち合わせの時間を午前中か夕方に設定すれば暑さのピークは避けられる。だがこの12万年ぶりの暑さで、もっとも暑い2時にやる。これこそが夏を満喫することではないかと考えた。いやあ、暑さは人を狂わせるね。なんで2時なんていっちゃったんだよおおおおおお。電話を切った後、むせび泣いて後悔した。

 

いざ、出かけたわけだが暑さに危機感を覚えた。陽炎で道路が歪む。何も持たずに家を出てしまった。ふらふらと店に立ち寄り黒いベースボールキャップを買う。しばらく行くと日傘を売っていたので購入。よさそうなマグカップと、駄菓子の『きゃべつ太郎』があったので懐かしくて買ってしまう。店を出て少しいくと荷物が邪魔だと気づいてカバンを購入。徐々に装備が充実していくゲームのようで楽し。買い物楽し。暑さのせいにしてなんでも買ってしまう。今、奴隷とか見たらつい買ってしまうかもしれない。などと思う。勢いだけで書くから、こういうことになるんだろうな。

 

打ち合わせ先の会社に到着。会議室で待っていると、暑さに打ちひしがれた人々が入ってくる。「なんでこんな時間にやるんですか~」「わざわざ会ってやるほどのことか」は当然の批判として「さみしさをまぎらわす老人の道楽に付き合ってられない」などひどいことをいう者もいる。私だってオンラインでやることを主張したのだ。それでも、リアルでやるっていうからさあ! 時間を決めたのは私ですけど。「こんなとき~、キンキンに冷えたデパ地下のアイスがあるとすれば~?」と、みんなを見回す。

 

「あるんですか!?」「食べながらやりましょうよ~!」と、その場のテンションが一気に上がる。「『あるとすれば』って、いってみただけ」「は‥‥? うっざ!」「本当に軽く殴っていいですか?」「あんた、期待させといていつもそうだよ!」などなど散々なことをいわれた。私は立ち上がり、駅で買ってきたアイスを冷凍庫から取り出した。歓声が上がり、人が群がってくる。現金な人々。ブーブー文句いってたやつは、アイス買ったときについてきた氷でも食べとけと追い払う。なんだかんだ、キャイキャイいいながらアイスを食べました。

 

しかし、本当に正直なことをいえばガリガリくんメロンソーダ味のほうが美味しかったんだよな。三つ子の魂百までなのか。スナック菓子の『きゃべつ太郎』は子供の頃ごくたまに食べていた。今やポテトチップスは50グラムぐらいしか入ってないが、きゃべつ太郎は昔と同じ90グラム入っている。値上げもしないで、すごい企業努力。応援したい。一口食べてみて懐かしさがよぎった。ああ、この歯にはさまる感じ、うっとうしかったわ~と思いました。褒めたいのか、けなしたいのか。

 

 

 

▼夏の甲子園に元巨人、清原さんの次男が出場していた。父親は名選手で1年からスタメンで出場、甲子園では13本のホームランを打っている。息子は代打で出場し、いい当たりだったが外野フライだった。実力の世界だから当たり前だが厳しいもの。甲子園に出られるだけでも本当はすごいことだけど、清原二世というのでつい特別な目で見てしまう。親か子どちらかが名選手ということはある。長嶋茂雄、野村克也という昭和を代表するスターがそうだし、親を超えた選手は元広島の黒田博樹、元横浜の金城龍彦など。だが親子ともに名選手というのはいないように思う。それほど難しい世界なのだろう。そもそもプロになれているだけですごいこと。

 

数字にすべて現れる世界だから、実力がなければ二世選手でもあっさり姿を消してしまう。数字に現れない芸術分野はここまでの過酷さはないかと思っていたが、林家三平さんが笑点を降板した。あれはあれで厳しいものなのだな。そもそも面白くなければ独演会なども客が入らないだろう。安泰なのは政治の世界かもしれない。議員だけは不祥事を起こさない限り、二世でも消えることはない。本来は在任中に選挙公約をどの程度達成したか、何本の法律を立案したかなど、会計検査院のような独立したチェック機関をつくって、政治家の業績をチェックすべきなのだ。そこに何十億かけたとしても、国政は今までより健全に運営されるはず。もちろんこういった機関だけ作っても、数字に現れない仕事はある。数字に現れない面はまたべつの評価方法を考えねばならない。

 

などと。どしたの急に政治の話なんか書いて。暑いから調子悪いんだろうな。

 

 

 

▼お盆、墓参りをどうすべきか考えている。考えている間に終わってしまい、いかないで済まそうとしているな、これは。世間ではどの程度、墓参りをしているのかな。