玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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戴冠式

▼ベランダのプランターにミニトマトとバジルを植える。トマトは成長するのに水分が少なく乾燥した土壌を好み、逆にバジルは成長するのに多くの水分を欲する。二つを一緒に植えることで土中の水分量が調整され、適切になるという。また、トマトの隣にバジルを植えると、バジルの強い香りをきらって害虫が寄りつきにくくなる。トマトとバジルはコンパニオンプランツといわれ、一緒に植えるのに相性が良い。

 

というのはネットで得た知識で、それを基に何年か前にトマトとバジルを植えたところ両方とも虫にやられた。理屈どおりにいかないのが現実。私は泣く。前回の種が余っていたのでなんとなく播いてみた。しかし、何も対策をしない場合、また同じことが起こるのではないか。普通、業務でミスをした場合、原因を探って改善をする。同じミスをしないことは当たり前で、漫然と種を播いてしまってよいものかと悩む。怠惰である。怠惰に種を播いてしまったことに後ろめたさを覚え、水やりをする。水がみるみる土に吸い込まれていく様子が楽しい。乾いた土が水を飲むようだ。それはそうと何か対策をしないと。

 

 

 

▼母が自転車で転び、足をケガした。二週間たってもあまりよくならない。歳をとってのケガは治りが悪い。寝たきりにこそならなかったものの杖をついて暮らしている。杖をつくと圧倒的な“老婆感”が醸し出される。「老婆だ、老婆がいる」と思ってしまう。やはり杖がいいんだろうな。圧倒的な老婆だ。これに出刃包丁を持たせたら、圧倒的な山姥感が出るのではないか。杖+包丁の組み合わせは最強だ。ちょっと包丁持ってくれませんか。いや、遊んでいる場合ではないのです。本当に。

 

 

 

▼チャールズ国王の戴冠式を観る。エリザベス女王の在位は長く、前回の戴冠式は70年前だという。滞りなく行われたように見える荘厳な儀式だが、ほとんどの人は前回の儀式を知らないか、憶えていてもほんのわずか記憶の片隅に残るぐらいだろう。もっともらしく振舞っているだけで、みな今回が初めてなのだ。途中で阿波踊りを混ぜたって「そういう儀式なのかな」とスルーされるはず。なんだか不思議な気持ちになる。それでも儀式がきちんと行えたのは、やり方を引き継いできた人がいるからだろう。そういう役職の人がいるはずで、その人はエリザベス女王の在位が長かったおかげで一度も戴冠式に携わることなく退職し、次の人に引き継いだのかもしれない。「在職中、一度ぐらいやってみたかったな」と思ったのだろうか。勝手に思いを馳せてしまったな。いるかどうかわからない人に。

 

儀式は荘厳で聖職者が高らかに何かを宣言すると合唱隊が歌いだし、また宣言すると歌、宣言、歌という流れだった。現実離れし、舞台を観ているような気持ちになる。儀式といっても華美な服装や、ウエストミンスター寺院からバッキンガム宮殿までの壮麗なパレード、黄金の馬車、儀仗兵の隊列など派手で見どころがあった。荘厳な儀式で王の権威を見せつけることが王室の維持に不可欠だったのかなと思う。イギリスの調査会社のアンケートでは君主制の支持は全体では61%(反対25%)だが、18~24歳では君主制の支持は31%と、けして高くない。君主制もその役目を終えつつあるのかもしれない。

 

 

 

▼なぜだか急にサッカーを観ることが楽しくなってしまい、プレミアリーグの試合を観ている。そのことを書こうと思ったが長くなりそうなのでよす。代わりといってはなんだがYahoo! Newsのヘッドラインを貼る。Yahoo!はヘッドラインの8番目に毎回アホみたいな記事をあげている。だから私はYahoo!を見続けている。

 

 

 

今回の「寺田心 腹筋4つには割れている」もなかなかのパワー。誰が読むんだ、この記事を。8番目の記事だけを集めたサイトがないものか。世間の需要はないだろうが私だけは読みに行くのに。

 

 

 

▼映画の感想『still dark』を書きました。盲目の男性がイタリアンレストランで修行する。スポコン漫画のような熱さがあって良かったです。