玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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私が一番ビビっています

▼ニュースの見出しで、これは誰が読むのだろうというものがある。そういうものがあると、ついキャプチャしてしまう。

 

 

一番下の記事「深田恭子 家帰ったらすぐパジャマ」。だからどうしたの最たるものである。これほど人々に「で?」と思わせる記事もあるまい。深田恭子さんもこんなどうしようもないこと記事にされたくないだろうなと思う。読む。「妹の家に泊まりに行ったときもパジャマでリラックス」だとか。うるせぇ、しか感想がない。

 

他にもこんな記事が。一番下。

 

 

これもまたねえ、どうしようもない。漫画『マスター・キートン』の中でSAS(英国特殊空挺部隊)が世界中に散らばったメンバーを緊急招集する際、暗号をくみこんだニュースを使う場面がある。「ドナウ河近くの動物園でライオンが豹の檻に入り、出られなくなった」。BBCニュースで流れたどうでもいい内容の報道が政府の緊急事態を表していた。そういうやつ?

 

Yahoo! ニュース読むと、どんどん脳が溶けていく気がする。戦争、覚醒剤、Yahoo!ニュース、ダメ、絶対。

 

 

 

▼家で一人で作業をしていると、いつの間にか「ああ~、これ違うか‥‥」と独り言をいっていた。ここ一年ぐらい、ふと何かをいっていることがあり、ハッと気づいて怖くなる。誰かがそばにいるとき独り言をいったことはない。ついに私も、独り言おじさんの仲間入りをしてしまうのか。

 

東京は気が狂った人間が多いので、繁華街を歩いているとひと月に一回ぐらいは怒りながら何かをいっているおじさんに遭う。不思議とおばさんは少ない。主に二つの理由が重なって独り言に繋がるのではないか。自分の待遇、家族からの扱い、社会的地位に不満があるとか、うまくいかない人生へのやるせなさが噴き出してしまうという。普通はみな、いろいろな不満を精神の檻に閉じ込めて抑えているが、体力の低下にともない、その檻も壊れてくるのではないか。

 

心と体と二つに分けて考える人もいるが、心は体に内包されているし、体の影響が大きいように思える。体が衰えれば心も軋みをあげる。歳をとれば体のいろいろな部分が緩んでくる。尿漏れも始まる。独り言は精神の尿漏れ、顔面にそんなタトゥーを入れようかな。私が腕組みし、首をひねっていると隣席のTさんから「どうしたんですか?」と訊かれる。

 

「今、精神の尿漏れについて考えている」と答えると「あ~、そうなんですねー」といい、どこかへ行ってしまった。触ったらいかん奴みたいな扱いをされている。私が「バカヤロ、コノヤロ」と怒りながら歩きだすまでもう少しだ。震えて待て。

 

 

 

▼映画の感想『春夏秋冬そして春』を書きました。『嘆きのピエタ』のキム・ギドク監督作品です。一人の少年の人生を四季になぞらえ描いている。湖に浮いた寺が印象的でした。あと、みょうにいやらしい。どうとらえたらいいのか、よくわからない作品でした。