玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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バットを持って登場したい

▼朝、起きるのがつらい季節。布団の中でぬくぬくしていることに大きな喜びを感じるし、毎朝「人はなぜ起きねばならないのか」を煩悶する日々。

 

打ち合わせでひどく腹が立つことがあった。その仕事はお世話になった方に紹介されたもので、その人の顔をつぶすわけにはいかないから断ることもできなかった。とにかくアイツの態度はもうなんというか、五年に一度ぐらいこういう人と遭遇するのだな。あまりに腹が立ったためか、夢にも登場した。夢でもそいつの態度はひどかった。

 

暗闇の中、パッと目を覚まし、私はクローゼットからバットを取り出した。そのバットを抱きしめて再び、眠りについた。夢の中でならぶん殴っても問題あるまいと思った。再び寝入って自分の手を確認すると、なんとバットを持ってないのだ。「バット持ってないんかい!」と夢の中で嘆いた。バットはないまま、その嫌な人は夢の中にしっかりいたわけで、特に何もできなかった。

 

朝起きて「バット持ったまま夢に入る方法」を検索。一日が始まる。

 

 

 

▼ワールドカップが終わってしまった。ふだんサッカーはまったく観ないけど、それでも面白かったな。スポーツにしろ、なんにしろ、楽しむには歴史が大事だと思うようになった。日本チームの活躍について「ドーハの歓喜」といわれたが、1993年のワールドカップ・アメリカ大会で「ドーハの悲劇」を経験したからこその喜びがある。当時を経験した人は尚更今大会を楽しめたのだろう。今までの喜びも悲しみも布石となって、現在の出来事に繋がっていく。

 

観続ければ知識と経験が堆積して層をなし、自分の中に歴史が作られる。それぞれの分野にぞれぞれの面白さがあって、一人の人間がすべてを見て回ることなどできない。自分が好きな分野を選んで生きていかないといけない。口惜しい。いろんなものを観たいけれどとにかく時間がないのだな。

 

今回はカメルーン×ブラジル戦が面白かった。カメルーン、ブラジルどちらも譲らず、無得点で後半ロスタイムに突入、カメルーンのFWアブバカルが頭で合わせて決勝ゴールを決める。もし勝てればアフリカ勢初のブラジルからの勝利となる。興奮が頂点に達したアブバカルは喜びすぎてユニフォームの上を脱いでしまい、イエローカードをもらって退場(累積2枚目)となる。喜びすぎて退場て。それでもカードを出した主審と握手し、納得の退場のようだった。おまえ~、何やっとるんじゃ~となって面白かった。残り時間が少なく、なんとか逃げ切ったからよかったものの、あの退場で負けたら目も当てられなかった。面白い人。

 

 

 

▼年賀状は前年比10%ずつ減り続けているという。もうなくなっていく文化なのかな。

 

年賀状の住所面だけは10年以上前のノートパソコンを使って印刷している。OSはWindowsXP、安定したよいOSでしたな。パソコンを立ち上げると今のSSDのようにすぐ起動しない。使えるまでに3分ぐらいかかる。ガガガガガガとハードディスクが回りはじめ、一生懸命がんばっているようで微笑ましい。毎年「お、今年も生きていた」と見るのが楽しいのだ。年に一度の活躍。住所録データを今のPCに移し替えるべきだが、面倒くさくてやっていない。ノートPCが死ぬのが先か、年賀状をやめるのが先か、不毛な戦いは続いていく。

 

 

 

▼腹筋ローラーをやり続けて一か月。漢方薬をするやつを大きくした感じのもの。

特に痩せるということもなく、腹筋が割れるということもなく、漢方薬ができることもなく、淡々とやり続けている。でも、やり続けていくうちにちょっとだけできることが増えていく。今まではあまり前の方まで体重をかけられなかったのが、先まで手を伸ばせるようになったり、膝をつきながらやる「膝コロ」というものから、立って体を前に倒す「立ちコロ」というものができるようになったり、徐々に進歩していく様子、できる技が増えていくのが楽しいのだ。育てゲーである、自分の体を使って。

 

 

 

▼映画の感想『ドクター・スリープ』『あなたの名前を呼べたなら』を書きました。『ドクター・スリープ』は『シャイニング』の続編です。有名作品のあとを作る難しさを感じました。ちょっとネガティブな感想になってしまった。

 

『あなたの名前を呼べたなら」は珍しくも踊らないインド映画。メイドと雇い主の恋を描いた静かな映画。とてもよかったです。お薦めです。