玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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手作りジャム

▼リンゴのふじで作った手作りジャムを頂く。ジャムには紅玉と聞いていたが何でもいいのかな。手作りジャムをもらった話をしたら、一緒に仕事をしている方から「いまどき手作りってコスパ悪すぎませんか」といわれて驚く。たしかに手作りより買った方が安い。だが、コストパフォーマンスと効率を追求しなければならない仕事と、そうではないものがあるように思う。あらゆるものをお金や損得に変換するのも極端な話だ。物を作る楽しさや善意はコスパとは無縁ではないか。私は何もいえずに黙ってしまった。

 

アメリカに移住したいな。アメリカではこういうとき、相手の口に銃口をつっこんで「そのミニミニサイズの脳みそでよく考えてからしゃべりな」っていっていいんでしょ。アメリカってそういう自由の国だって聞いている。間違いない。べつに怒ってないけど、彼のいい方はちょっと引っかかった。

 

ジャムは驚くほど美味しかった。市販のものと違って変に甘すぎないのがいい。紅茶にも入れてみたけれど味がまろやかになる。もったいないのでやはりパンに塗るか、クラッカーに載せるのが美味しい食べ方だと思う。鼻に抜けるリンゴの香りがとてもいい。ジャムのために少しだけいいパンを買ってきた。ほくほく。

 

 

 

▼以前、アンガーマネジメントのツイートを読んで感心したのが「怒りは6秒以内で収まる。だから6秒以内に相手を殺さなければならない」というものだった。なるほど。いや、ほんとにまったく怒ってはいないのだけど。6秒か。体を鍛えなければ。

 

 

 

▼ロシアのウクライナ侵攻は継続し、中国が台湾に侵攻するのではというニュースもたまにみる。まったく政治に詳しくないから何もわからないものの、そんなこと本当にあるのだろうかと思ってしまう。ロシアが世界中から経済制裁をかけられ、国としての信用を失っている様子をみて中国がその轍を踏むとは思えない。

 

中国が台湾侵攻をちらつかせるのは、実際の状態はさておき台湾独立を認めるわけにはいかないからだと思っていた。台湾は経済的に独立しているのだから、認めるも認めないもなく現実的に独立状態にある。中国には香港をはじめとしてウイグル、チベットなど独立や民主化を望む地域がある。また中国は一枚岩ではなく56の民族で構成されている。仮にある地域の独立を認めてしまえば、うちも独立させろと続くことを恐れているのではないか。

 

だから台湾や香港に嫌がらせを繰り返し、独立や民主化を求めればこうなると見せしめにしているのだと思った。そもそも中国が台湾を統一するメリットより、デメリットの方が大きい。台湾のGDPは人口比からみれば大きいものの、中国全体のGDPからみれば1/20程度にすぎない。無理して台湾を手に入れてもロシアのように経済制裁され、国家としての信用を失うほうがはるかに損失が大きい。

 

だが、台湾の独立を容認してしまえば台湾に続く地域が出るともかぎらない。そのために常に圧力をかけ続ける必要がある。その圧力が見せかけと外部だけでなく内部にも見抜かれるわけにはいかず、本気でやるぞという迫力が伴わなければならない。ここら辺が難しいところで、本気でやるという迫力を出しながらも本当に武力衝突が起こるのは避けなければならない。あくまでフリなのだが、フリということがばれてはいけない。そのフリを保ったままいかざるを得ないのが今の中国の強硬姿勢なのだと思っていた。

 

何年か前、中国人の元同僚に上の推測をたずねてみたところ「ありそうな話」といわれた。何が本当かはごく一部の人間にしかわからないのか、それとも誰も状況を制御できていないのだろうか。彼女は中国人は領土が欲しいというより、そんなことに興味はなく、逆に国土を分割したほうがいいと思っている人々も多いといっていた。特に発展した沿岸部に住む人々は、内陸部の人々が中国全体の経済成長の足を引っ張っている、そう考える人も多いのだとか。上層部の感覚は別として庶民は目の前の生活の向上にしか興味はない、それは日本人も同じでしょうと微笑んでいた。これはあくまで一人の中国人の考え方で、実際どうなのかはまったくわからないが。

 

まったく何が起こるかわからない時代になったと思うものの、だが考えてみれば今までも何が起こるかなどまったく予想ができず、思いもかけないことが起こってきた。仄かに「予想できるのでは」と誤解していたが、もはやその甘い誤解も許されず、もう本当に何が起こるかわからないと自覚させられる時代に突入したというか。だから私に何ができるということもなく、日々ご飯を食べて寝ている。

 

 

 

▼映画の感想『子宮に沈める』を書きました。実際に起きた児童虐待事件を基にして作られた映画。本当に事件を観ているようで、とても後味の悪い作品です。つらい描写が多いので、気持ちに余裕のあるときならばいいかも。娯楽要素はないです。