玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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痩せて太って痩せて10月

▼扇風機とストーブを入れ替え、冬用のあったか毛布を出す。ぬくぬく。ただ、これを出すと朝起きたくなくなるのだ。

 

すっかり寒くなり、肉まんやラーメンなど温かい物が恋しい季節。ひよこ豆のカレーというのを作る。ひよこ豆は黄色く、一端がひよこのクチバシのように尖っている。ぴよぴよ。ジャガイモに少しだけ似た味。余ったひよこ豆はレンコンと炒めて、めんつゆで味付けした。まあまあのお味。

 

 

 

▼近頃よく、絵を描くAIの記事をみる。漫画の描き方が大幅にかわりそう。背景だけみれば人間を超えている部分があるかもしれない。背景をAIに描いてもらって、上に人物を載せるというやり方でそうとう時間を短縮できるのではないか。アシスタントを減らす漫画家が出るかも。人物はさすがに手の形や表情が変だったり、同じ人物を登場させることが難しかったり改良点がある。今後もっと技術がすすめば人物もAIが描き、作者はそれを手直しするだけでよくなるかもしれない。今でも一枚だけの絵なら、作者が手直しするだけで仕上がるものもある。

 

しかし、AIはきわどいかっこうの女の子ばかり描かされているな。もしAIに感情があれば「こればっかり描くために進化したわけじゃないんですけどー」と、やさぐれそう。不憫な子よ。

 

 

 

▼午前中にラジオを聴いていた。いつもは深夜ラジオで下ネタばかり投稿している人が、同じラジオネームで朝の番組にも投稿していた。TPOをわきまえたまともな内容だったが、あんた本当はそんなまともな人間じゃないだろうよと、おかしかった。

 

思えば、今の時代ほど架空の知り合い、一方的な知人が多い時代はないのかもしれない。得る情報が増えれば、それだけ知っている人間も増えていく。少し前に三遊亭圓楽(笑点の紫)やアントニオ猪木が亡くなった。子供の頃からテレビで見慣れた人たちが逝く。特にファンではなくてもそれなりに淋しさを覚える。知ることは面白さに繋がるけれど、失ったときには淋しさがある。それでも何も知らないよりは知った方がいいのだろうけれど。

 

ロシアが建造したクリミア大橋が爆破され、報復にロシアからウクライナ各所にミサイルが撃ち込まれた。撃ち返さなくては面子が立たないとはいえ、報復にとりあえず撃ったミサイルで死んだ人がいることになんともいえない虚しさがある。誰かを必ず殺したいというならともかく、そうしないと国内の突き上げがあるとか、舐められるとか、そのどうしようもなさがねえ。そんな理由で死んでいく人がいる。

 

 

 

▼映画を何本か観た。江戸川乱歩原作、三國連太郎主演の『死の十字路』。モノクロ作品。脅迫状が思いのほか達筆で感心。やはりねえ、脅迫するにしても達筆はいいな。ペン習字をやりたくなる。あと警察が探偵に市民の個人情報をペラペラしゃべるところが面白かった。コンプライアンス!

 

ジャッキー・チェン主演の『プロジェクトV』。もはやジャッキーも御年68歳。往年のアクションは期待できるわけもなく、それでも「70近いのにあんなに動けてすごい!」とか「腰が曲がってないから偉い!」と観ております。スパイもので、ジャッキー作品には珍しくCGが多用されていた。これがまあどうなんでしょという。ジャッキーはずっと生身のアクションを演じてきて、そのせいで大ケガもしているけれど、だからこそ痛みが伝わる映画になっていた。CGが入ってしまうと、アクション場面も「なんかこれ加工してない?」と思ってしまい、純粋に楽しめないところがありました。ライオンのCGもちょっと粗かった。アメリカやイギリスのスパイものに憧れたのか、ヴァンガードって組織名もどうもな。そこは漢字でいってほしかった。

 

村上春樹原作『ドライブ・マイ・カー』。3時間弱の長い作品。村上春樹作品を楽しむ人の半分ぐらいは、文句をいいたくて読んだり観たりしている気がする。つい何かいいたくなるのだった。そういう楽しみ方は悪趣味だし、直したいと思っていますが。まだ1/3ぐらいしか観てないが、あいかわらず登場人物にこれっぽっちも感情移入できなくて面白い。村上春樹作品のようにしゃべる人が私の周りにまったくいないからかな。

 

西島秀俊が真面目な顔で「僕は君のことを深く愛しているけど、どうしても堪えられないことが一つある」というから笑ってしまう。ロボみたいだなオメー、と画面の前で喜んでしまう。好きなのだな、村上春樹。あと性描写が多いので、親しくない人と観ると変な空気になります。そういうのどこかに書いといてほしい! 

 

 

 

▼映画の感想『スティル・ウォーター』を書きました。マット・デイモン主演のじっくりとしたサスペンス。アクションなどはありません。いつものマット・デイモンと違ってだいぶ地味です。南部の労働者役というのも珍しい。社会の分断を絡めて描いたのか、なんともいえない感じになっております。リベラルの嫌なところがだいぶ出ておりました。社会の分断などに興味ある人はいいかも。