玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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サンドウィッチマン

▼新入社員2号くんと話す。アメフトをやっていたという2号くん。体力に自信があるそうで、学生時代は肉体労働系のバイトばかりやっていたのだとか。街中で看板をもっているサンドウィッチマンのバイトがつらかったという。冬や夏はたしかにつらいが、それとはべつに特に何をするでもなく、ただボーっと看板もって時間が経つのを待つのがしんどいのだとか。人生の時間を切り売りしている気がするという。たしかになんのスキルや経験がつくわけでも、何かが起きるわけでもない。

 

しかし、それもふとした瞬間に変わる。道行く人は誰も自分のことなど見ておらず、自分という存在が捨象されて単なる広告としての概念のような存在になるのだとか。誰にも見られておらず、でもたしかにそこに存在する。そのあやふやな存在の在り方が気持ちいいらしい。幽霊みたいになるのかな。ずいぶん変わったお人。

 

2号くんはいう。「なんであのバイト、サンドウィッチマンていうんですかね?」。今それ訊くの、と思いますけど。バイト先の人に訊いとけ。

 

 

よく話を聞いてみると2号くんは、上の写真のようなサンドウィッチマンは知らないようだった。由来は、体を看板に挟まれているからサンドウィッチマンなのだろう。だが、2号くんがやっていたのは看板を持って立っているバイトで、体が挟まれるタイプのものではない。でも、求人誌には「サンドウィッチマン募集」と出ていたらしい。

 

2号くんは何かひらめいたようだった。「あれじゃないですか。芸人のサンドウィッチマンが若い頃やってたバイトで、そこから名前がついたとか」。

 

完全に逆のことをいう人を見た。

 

 

 

▼さよなら絵梨(藤本タツキ)

チェンソーマンの作者 藤本タツキさんの中編が「少年ジャンプ+」で無料公開されています。才能がとまらんね。

 

 

 

▼清水ミチコさんがラジオで「人生は幸せにならないようにできている。だから、頑張るとか頑張らないとかじゃなくて、淡々と受け止めねばならない。良いことがあったら素直に喜べばいい」と語っていた。清水さんが若く、まだ売れずに鬱屈していた頃、バイト先の先輩からいわれた言葉だという。すごい言葉だなと思う。

 

目標を低く設定することとはまた違って、結果をありのままに受け入れるというか、こういう考え方が自然にできれば楽だろうなと思う。どうしても自分に何かを期待するところがある。それが自分を窮屈にしているのかもしれない。良いことがあったら素直に喜ぶというのは簡単そうで難しい。だんだん素直さがなくなり、ひねくれてくる。ほっといたらどんどん固まってくるのだ。柔らかさがない。赤ちゃんにならないと。オギャーバブバブの精神で生きていく。

 

 

 

▼100回ボケてツッコむタイムレース

天竺鼠の川原さんは表情が変わらない。無愛想な感じで自信たっぷりなのがいい。センスの塊。

 

 

 

▼映画の感想『我等の人生の最良の年』『HELLO WORLD』を書きました。『我等の~』は戦後すぐに公開された作品。出てくる人たちの清々しさがよかった。面白かったです。

 

『HELLO WORLD』はセカイ系恋愛SFです。今一つ乗り切れなかった。