玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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シイタケが好き

▼コロナワクチンの副反応で38度の熱が出た。頭痛がして、脇の下がズキズキと痛み、その痛みで目が覚めた。蕁麻疹も出たし、体の節々も痛む。意外と副反応が重いことに驚く。ワクチンを接種するごとに副反応が重くなってくる。インフルエンザワクチンではそんなことはないのだけど、どうしてなんだろう。ちょっと怖い。2、3日は体が使い物にならなかった。平常時でもたいして使い物にならないので、あまり変わらないんだけども。それでもとにかくよく眠れる。夢ばかり見た。

 

同じ日に接種を受けた隣席のTさんからメールが来る。38度5分を示した体温計の画像が添付されていた。対抗して40度ぐらいの体温計の画像を送るべきだろうか。小学校の頃、授業で摩擦を学んでから、体温計を布団などにこすりつけて好きな温度にしていた。新しいファミコンのソフトを買ってもらった翌日は38度5分を作り出して学校を休んでいた。理科の授業は本当にためになると思っていた。

 

 

 

▼寝て起きて水を飲んで、また寝てを繰り返す。中学の頃、寝込んでしまう日があると「このまま死ぬんじゃないか」という想像をした。もうこのまま死んで誰にも見つけてもらえない、自分に生きている意味なんてない、そう妄想してさめざめと泣く遊びをしていた。みじめな気分が気持ちよかった。わずかに狂っていた。高校の頃、「この遊びはよくないものだからよす」と決めた。それ以来やっていなかった。副反応で寝込んで暇だったので、再びあの遊びに挑戦してみたがうまくいかなかった。なかなか難しいもの。もうあの頃には戻れない。

 

災害に備えて買った水の消費期限が切れたので、ひたすら飲んでいる。保存食の期限が切れると嬉しいものの、水はつまらないな。水はつまらない。それがここ三日の学び。

 

 

 

▼ほうほうのていで打ち合わせに出席。頭痛がするので人の話が耳に入らなかった。

 

エントランスに3,4歳の女の子がいた。社員が子供を連れてきたのだろう。ブロックをテーブルの上に出して遊んでいた。母親は「ブロックを片付けて」といい、少しの間、席を離れた。子供はブロックをすべてテーブルから隣の椅子の上に移動させた。それで「片付けた」と独り言をいっている。片付けたことになるのか、それ。

 

しばらくその女の子と話していた。好きな食べ物をたずねると「シイタケが好きです」と元気に答えた。母親が戻ってきたので「シイタケが好きなんだってね」というと「シイタケは嫌いで絶対に食べない」と笑っていた。子供はなぜそんな嘘を。嫌いな物を食べるということが、かっこよかったり、大人っぽかったりするのかな。それで見栄を張ってシイタケが好きと答えたのだろうか。いちいち行動が面白い。母親に否定されたが、私の目を見て「シイタケが好きです」と、またいった。

 

バレてるのに、真っすぐな目で堂々と嘘をつく人がいた。

 

 

 

▼映画の感想『こおろぎ』を書きました。本当によくわからない映画。とにかく面白い映画があって、この映画のようにわけのわからない映画もある。わけのわからない楽しさもある。