玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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令和の駄々を見る

▼友人の会社ではテレワークが続いており、ほとんど出社することはない。ちょっとしたコミュニケーションのため、テレワークの際に背後に表示される壁紙を変えるのが社内でちょっとした流行になっている。その日、友人はかなり大きいミスをし、上司がずっと怒り続けていたが、上司の壁紙が『徹子の部屋』だったという。この状態で怒られてもな、というのはある。

 

 

 

 

▼花粉症なので出たくはないがスーパーで買い物。ずいぶんと久しぶりに駄々をこねる子供を見た。花粉症なのに買い物に行くなどという功徳を積むと、いいものが見れるのだなと感心する。小学生に上がるかどうかという歳の男の子だったが、母親が周りを気にするぐらい「買って! 買って! 買って!」と大声をあげ、母親の袖口がちぎれるんじゃないかというぐらい引っ張っていた。珍しいほどの駄々っ子ぶりに感心する。こういうの昭和で絶滅したかと思ったが生きていたのだな。久しぶりに、いい駄々を見た。

 

母親は「もう大きいんだから我慢しなさい。お兄ちゃんなんだから」というが、子供は聞かない。「買って! 買って!」と大声で叫ぶ。子供は勝手にポテトチップスを買い物かごに入れるが、母親がそれをつかんで棚に戻すという押し問答を繰り返していた。私がポテトチップスを3袋ぐらい、自分の買い物かごに入れたら、この親子はどういう顔をするだろうとゾクゾクしてしまった。自分の中の悪魔が目覚めかけたが、そうすることはできなかった。ああ、どうしてできなかったのだろう。なんのために今まで生きてきたのだろう。私のような人間は生きている価値がない。何もできず、打ちひしがれて帰った。

 

 

 

▼ハンバーガー屋が「どんなハンバーガーが欲しいか」というアンケートをとると「低カロリーメニュー」という回答が多いが、実際に低カロリーの商品を出してもさっぱりで、肉増量などのほうが売れるというSNSの投稿を見た。たしかにそうかもしれない。これは何が問題なのだろうか。

 

客が嘘をついたり、見栄を張っているわけではないと思う。アンケートを取るタイミングが悪いのではないか。頭が冷静なときに「どんなハンバーガーが欲しいか」とアンケートをとれば、自分の健康状態や体重を気にして「低カロリーメニュー」と答えるかもしれない。でも、客がハンバーガー屋に来るときは空腹で「早く食べさせろ」という状態になっている。そのときに低カロリーメニューがあっても、肉増量のほうに引っ張られてしまうのは当然に思える。正確なアンケートを取るのなら、客を監禁して空腹状態にして取るのがいいのではないか。怒られるけど。

 

アンケートは本当に取り方が難しい。間違えると正反対のデータが出ることもあるし、意図的に操作することも難しくない。大学のときに論文の手伝いでたくさんのアンケートに答えたが、自分が欲しい結論に誘導してしまうものが多かった。作っている側は無意識かもしれないけど。アンケート学という学問が必要に思える。

 

 

 

▼感想は書かないけど観た映画。

 

【新感染半島 ファイナル・ステージ】

これは電車を舞台にしたゾンビもの『新感染 ファイナル・エクスプレス』(下のもの)の続編。前作は面白いゾンビものだった。

 

 

このタイトルは「新幹線」と「感染」がかかっている。ところが2となった『新感染半島 ファイナル・ステージ』は電車が出てこない。前作が「新感染」と付けてしまったので、その続編とわかるように「新感染」という言葉を使わざるを得ず『新感染半島 ファイナル・ステージ』というよくわからないことになったのだろう。『新感染』というと『感染』という前作がありそうだが、そういうわけでもない。付けた人の苦労がうかがえる。

 

前作が「ファイナル・エクスプレス」で最後っぽいのに、今回もまた「ファイナル・ステージ」で二重にわからないというのもある。ファイナルだったんじゃないのか、おまえは。ごくごく普通のゾンビもので、なんならタイトルが一番面白い。カン・ドンウォンが主演しています。