玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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罵倒

▼あっという間に2月後半。携帯に何件もの迷惑メールが来ていた。迷惑メールフィルタの機能が向上し、ここ何年は来ていなかった。旧友に再会した気分。昔は業者が何万件の迷惑メールを同時配信した。今はそれもできないはず。どうやっているのだろう。1件1件手書きで送っているのだろうか。老舗のせんべい屋のように「1枚1枚心をこめて焼いています」のような。ありがた味を感じる。嘘だけど。感じないけど。

 

 

 

▼旧友に再会した気分と書いて思い出したが、実際に街でばったり旧友に再会した。もう20年ぶりぐらいだろうか。大学時代にギャンブル狂いとなった彼はそのまま道を突き進み、ギャンブルに明け暮れて借金まみれ。周囲から借りた金を返せず、親族には縁を切られ、友人や恋人も失った。今では真面目に労働しているという。「俺、最近気づいたんだけどさあ。労働って100%の確率で金が入るからすごいよな!」と興奮していた。それはさすがに新しい視点。考えたことがなかったな。

 

久しぶりに“ホンモノ”を見てしまった。恐ろしいやつがいる。

 

 

 

▼『DOMINION』というオンラインカードゲームで遊んだ。

元は紙のゲームで、それがオンラインになったもの。STEAMで配信されているものとブラウザでできる『DOMIONオンライン』がありますが、ブラウザ版のほうがいいかも。STEAM版はすぐ強制終了するので。ただ、STEAM版はフリーで使えるデッキが一定期間ごとに切り替わるらしい。今後に期待したいところ。

 

 

日本のゲームはアニメ調の絵柄が多いが、外国のはまったくそんなことがない。特に女性キャラがまったくかわいくなくてよい。むしろ怖い。すばらしい。

 

『DOMINION』のいいところはプレイヤー全員が同じデッキを使うところだと思います。当たり前なのだろうけど、これに驚いた。カードゲームをやってて一番萎えるのは、なんだかよくわからない強カードを連打されて何もできずに負けること。お金をかけてカード揃えただけで強くなってしまう。『DOMINION』はプレイヤー全員が同じカードを使って、回転率のよいデッキを構築して土地を買い集めるゲームです。

 

もちろん初心者があれよあれよという間に負ける「わからん殺し」などは存在する。これはどのカードゲームにもあるので負けて憶えるしかない。ただ、そのわからん殺しも条件が同じなので、自分がやることだってできる。とても公正なんですね。ルールはそこまで難しくはないものの、かなり奥深いゲームに思えました。STEAM版が安定してればねえ。

 

 

 

▼ゴリラ部長がコロナにかかった。いよいよ身近になってきた。もう誰がかかっても仕方ないのだろう。謝る必要もないし、責任を感じる必要もない。周りもまったく責めることがない。いいことだと思う。ただし私はものすごく罵倒する。

 

「あいつは本当にたるんでる。気のゆるみがウイルスに付け入る隙を与える。根性がない奴はすぐコロナにかかる。顔に現れてるんだよな。健康だけが唯一の取り柄だったのに、もうそれもないなんて終わってる。だいたい、家で奥さんと赤ちゃん言葉で話しているからダメなんだアイツは! しょーもなっ!」

 

などと決めつけ、嘘ばかりの罵倒をする。そうやってコロナに罹った人や、濃厚接触者を罵倒して遊んでいたが、最近は私の罵倒のうわさを聞きつけて「僕も罵倒してください」とやってくる志願者がいる。いや、ほら、親しい人にふざけてやっているわけじゃん。ほとんど面識ない人とか、オドオドしてしまう。人見知りゆえ。中途半端に罵倒してみたものの、変な空気になったりした。(思ったよりも全然面白くなかったな)という雰囲気をただよわせて帰っていった。こっちは女王様でもないんだから、ほぼ初対面の人は罵倒できない。あくまでボランティアとしての罵倒ということをご理解いただきたいもの。