玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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床屋

▼心のふるさと業務スーパーへ。買い物に行く途中に床屋がある。古い店構えの昭和からあるような小さな床屋。繁盛している様子はなかった。店内もあまりきれいではない。自宅と店が兼用なのか、店の奥に洗濯物が積みあがっているのが見えていた。たいていは60歳ぐらいの店主とおぼしきおじさんが一人ボーっとテレビを眺めているだけだった。客が入っているのをほとんど見たことがない。店内に毒ガスが充満して人が入れないのか、とにかく客がいない店。

 

今日、店を覗くとなんと三人も客がいる。そういえば、先週も何人か客がいて「珍しいこともあるもんだ」と違和感をおぼえたのだった。不思議に思い、足をとめて店の様子を見ていた。男性二人は顔剃りをしてもらっているのか、リクライニングチェアを深く倒していた。しばらくすると店の奥から20代前半の若い女性が出てきて顔剃りを始めた。これか。これなのだな。まったく男ってやつは‥‥。あまりにわかりやすすぎる。私はいそいそと業務スーパーへ向かうのだった。また業務スーパーで怪しい外国産の菓子でも買おう。今週あった出来事はこれだけです。他には何もない。

 

 

 

▼そういえば先日(1月28日)はプレミアムフライデーだった。いよいよ本当に誰も口にしなくなったな。検索するとまだ公式サイトは生きている。私が死ぬのが先か、プレミアムフライデーが死ぬのが先か、どっちが先に死ぬか勝負だ。両方逝っていいと思います。

 

 

 

▼ブラウザには便利なプラグインがたくさんある。chrome用のVideo Speed Controllerというものが便利。通常、Amazonプライムは再生速度を変更できませんがこれをインストールしておくとDキーを押すごとに再生速度が10%早くなり、Sキーを押すと10%遅くなります。YouTubeでも使えます。観たくない番組をどうしても観なければならないときにお薦めです。観なければいいのでは。

 

 

 

▼『笑点』のメンバーが林家三平さんから桂宮治さんに変わった。10分ぐらいしか観なかったのだけど、この人は番組に馴染んでいけるだろうなと思った。あの感覚はなんだろう。なぜ大丈夫だと思ったのか。面白さの正体というのはなんなのだろう。大喜利は才能はもちろんあるにせよ、練習すれば誰でもある程度面白い答えがでるようになると思う。答えだけならばラジオのハガキ職人といわれる人たちのほうが、いい答えを思いつくこともあるはず。

 

答えそのものも大切だが、答えをいうときの間、表情、声色、勢い、動きなどをひっくるめた雰囲気、愛嬌、自信、周囲との関係性(フォローしてもらえる)が重要に思える。つまるところ答えの質はそこそこでも、人としての魅力が重要なのではないか。面白い人は何をやってもだいたい面白いわけで、逆に面白くない人は何をやってもダメということになる。残酷な話だけれど。芸人の道をあきらめて構成作家に転身する人がいるが、そういうことなのだろうか。

 

お笑いコンビで金属バットの友保さんという人がいる。たたずまいがいいんですよねえ。痩身で、異様なまでに長く伸ばした黒髪、落ちくぼんだ目、パッと見で落語にでてくる死神を思わせる容貌。死神の中でもっとも面白い死神ではないか。独特な雰囲気をもっているし、自信にあふれているように見える。仮に客が笑わなかったとしても、自分の笑いがわからないほうがおかしいと思ってそう。あの自信というか、たたずまいがねえ、すごい。