玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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怨霊に囲まれて

▼コロナワクチンの予約をしてあげたおばあちゃんからお礼の連絡があった。今度お礼におはぎをくれるらしい。簡単なことだから気にしなくてよいのだけど。「本当に予約できているか心配で、病院が近所だから確認しに行った」とのこと。ずっこけるわ。誰とも接触なしに予約できるのがネットの利点なのに。ネットの利点をつぶしてくるオババよ。

 

 

▼先日はYouTuberとの打ち合わせ。YouTuberだから当然オンラインでの打ち合わせかと思いきや、直接お会いしての形。オミクロンが流行るこのご時勢になぜ。こちらは受注する側なので断れなかった。オババの病院への予約確認は5分で済むが、打ち合わせは1時間はかかるわけで、オババのことを笑う資格はまったくないのだった。

 

YouTuberの方は元アイドルというきれいな女性だった。打ち合わせはおしゃれなカフェで行い、SNSへ投稿するというので飲み物の写真を撮っていた。仕事の打ち合わせだからその場には何人もいたが、男性と二人きりだと誤解されないように、一人分の飲食物だけ映るように配慮して撮っていた。以前、二人分のカップが映ってしまい、恋人といたのではとか「におわせ」などと炎上したらしい。大変なのだな。

 

さも誰かと二人でいたかのようなにおわせ写真を撮る人は、ちょっと面白いなと思ってしまう。そんな写真を撮るのはバカげているし、炎上のリスクがあることは誰でもわかる。でも好きな人といたことが嬉しくて、気持ちが抑えられなくて撮ってしまうとしたら、かわいさも感じる。そういったらYouTuberの人に笑われてしまった。「そんなことにかわいさを感じるファンなんていませんよ。嫉妬がかたまってできたのがファンだから」と言っていた。あんた、そんな怨霊みたいなファンしかおらんのかい。たいへんな世界。

 

 

 

▼先日『笑点』のことを書いたのでもう少し。私が『笑点』をなんとなく観ていた頃は、司会が五代目円楽(青)、小遊三(水色)、好楽(ピンク)、木久蔵(木久扇、黄)、歌丸(緑)、楽太郎(六代目円楽、紫)、こん平(オレンジ)の時代だった。子供の頃からずっとメンバーが変わっていなかった。歌丸さんが楽太郎にからかわれると、たまに蹴飛ばしていたが、みんな若くて元気だったのだろう。

 

だから少し前に『笑点』を観たときはメンバーがずいぶん歳をとっていてさびしさを感じた。声も出にくくなっている。司会の春風亭昇太、たい平をのぞいたメンバーは70歳以上なんですね。木久扇さんは膝が痛くて座れないのか椅子に座っている。小遊三さんが自分のイケメンぶりをたとえるのに、以前は福山雅治を使っていたが、それが横浜流星になっていた。小遊三さんも74歳で、本当は若い芸能人など興味ないのだろうなあ。でもちゃんと調べて視聴者のニーズに添おうとしている。そんな悲しい観方するんじゃないよ。

 

ドカベン』の水島新司先生が亡くなったり、TRFのSAMさんが還暦を迎えたり、時の流れの速さに驚く。でも、去る人がいて新しい人が出てくる。そういうものなんだ。