玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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歯医者えらび

▼テレビを観ていたらヒロミさんが奈良 東大寺の正倉院を紹介する番組に出ていた。どちらかというと寺の塀に落書きしていたタイプだと思うのだけど。八王子の暴走族時代のイメージ。そうか、ヒロミも寺に行く歳なのか。

 

今年も年末。

 

 

 

▼今日も今日とて卑屈くんお薦めのアクションゲーム『仁王』をプレイ。難しいが終盤まで来た。

 

 

徳川家康は市村正親さんが演じている。もう本人そのまんまで出すのだな。右上は守護霊のタヌキちゃん。かわいや。

 

 

武井咲さんはくノ一役で出ていた。こちらは、言われてみればそうなのかなという似具合。

 

 

とにかくすぐ死ぬゲーム。死にゲーとか憶えゲーとか言うが、敵の攻撃パターンを憶えてなんとか対応する。あまりに死にすぎると「ここで憶えた知識、この先一生つかわないんだろうな」と虚無的になってしまう。負け惜しみが虚無につながる。

 

この難易度でみんなよく挫折しないでクリアできるものだと感心する。卑屈くんにゲームの進行状況を話すと「どうです。今のゲームも難しいでしょ。ウケケケケ」と笑った。スネ夫に似ている。難しいけれど、オンラインゲームでもあるので「まれびと召喚」という機能を使えば、他のプレーヤーに助けてもらうことができる。この機能が難易度にたいする救済措置になっているのだろう。私はネット上でも引きこもりなので一人でクリアしている。死にまくっている。

 

卑屈くんに「『まれびと召喚』使ったんじゃないの?」と訊いたらムッとして黙ってしまった。それからいっさい『仁王』の話をしなくなった。わかりやすいオタク。微笑ましい。

 

 

 

▼卑屈くんは虫歯治療のために歯医者に通っていたが、最近別の歯医者にかえたそうだ。腕が悪いのかなと思ったが、そうではないという。「見てください。このホームページ」と、以前に通っていた歯医者のサイトを見せてくれた。清潔さを感じさせるパステルカラーの室内。最新の機器も揃えているらしい。30代ぐらいのイケメン先生がスタッフに囲まれて笑っている。駅から近く、会社帰りにも寄りやすそう。良さそうな歯医者だけど、設備や立地を考えると料金が高くなるのかなと思った。

 

「ね。どう思います、これ?」「え?」「『え?』じゃないんですよ」と卑屈くんは不機嫌そう。「一人の医者に七人の女性スタッフ‥‥まるでハーレムじゃないですか、ハーレム! 一夫多妻制の始まりですよ、 これは! この中に愛人が二人ぐらいいますよ!」と突如、噴火した。腕でもなく、料金でもなく、女性スタッフに囲まれているのが許せないから掛かりつけを変える男。「あんな男にねえ、一円も払いたくないんですよ!」。嫉妬が服を着て歩いている。

 

そこで卑屈くんは女医を探し、先週から新しい歯医者に通いだした。だが前の医者にくらべて痛いし、料金も1.5倍ぐらいするという。「でもね、あいつの世話になるぐらいなら歯なんか全部なくなったっていいんです!」と、もはや狂気を感じさせる。親兄弟でも殺されたのかと思うが、女性スタッフに囲まれているのがうらやましいだけという。それだけでよくここまで怒れるな。しかし、治療の痛みには困っているようで、また新しい歯医者を探している。「オスの機能を失くした中年の歯科医、知りませんか?」という。知るか。

 

もう、歯全部ぬいてもらえばいいと思います。