玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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起動

▼押し入れからコタツを出した。毎年、出そうか出すまいか悩むが結局出すことになる。布団や毛布を重ねた奥に、超絶技法によって収納されているので出すのに一苦労なのだ。よっこらせと出し終えて居間にセットする。コタツの脚は一つが折れかかっている。父親が自分の体重もかえりみず座った際に金具が折れ曲がったのだ。毎年、ぐらんぐらんしている脚のネジを工具で締め直さなければならない。この作業をするたびに父親のことが頭をよぎる。脚を折ったときは腹が立ったが、元気でいてくれれば脚などいくら折ってもよかった。

 

 

▼コタツを出すと少し感傷的になってしまうな。なので人をたくさん撃つゲーム『バトルフィールド3』をやりました。

 

 

グラフィックがきれいで映画の一場面のよう。夜の場面も多くて、間違えて味方を撃ちまくってしまう。よかった、軍隊に行かなくて。ここのところゲームばかりやっているがまだまだ日本語化されていないものが多いですね。英語はほぼすべてのゲームで実装されているが、日本語は海外ゲームではメジャータイトルを除けばそれほど多くない。どちらかといえばロシア語やハングル語のほうがまだ多いような。それでも有志の方が独自に日本語化を行っていて、日本語化MODを入れることでプレイできるものも多い。

 

バトルフィールド3は日本語化はされているものの、Windows10では素直に起動してくれない。このゲームが発売された時点ではOSがWindows8だったので仕方ない。新しいOSや環境だと起動しないこともよくあり、調べながら起動させるのも楽しい。同じ症状に悩んだ方の書き込みを見つけた。

 

 

コントロールパネルから地域設定に入り「ベータ:ワールドワイド言語サポートでUnicode UTF-8を使用」にチェックを入れて起動したという。試したところ起動した。いや、そんなのわかるかーい! と思いましたよ。最低画質にするとか、フレームレートを落とすとか、ディスク領域やメモリを変更するのは誰でもやるがこれは難しい。見つけた人はどうやってわかったんだろ。起動の儀式が難解すぎる。ゲームよりも難しい。今に、裸で全身にお経を書いて怨霊に耳をひきちぎられながら起動とかになりそう。耳なし芳一プレイ。

 

しかし、バトルフィールドほどのメジャータイトルならばOSのバージョン確認して、修正パッチをあててほしいもの。で、ゲームはひとまず無事にできたものの、文字コードをいじったせいでテキストファイルが文字化けするようになってしまった。あらゆる文字コードで読み込もうと全部文字化けする。もう殺意しかないな、これは。テキストファイルをTerapadで開けば閲覧も編集も可能だがTerapadのメニューは文字化けしている。読むだけならばテキストファイルをブラウザで読むことはできる(ただし編集不可能)。バトルフィールド3を即クリアして、設定を元に戻せばいいのだろう。そこまでして古いゲームをやるんじゃないという話もあります。ごもっとも。

 

 

 

▼久しぶりにテレビで高田純次さんを見た。相変わらずいい加減で何の役にも立たないことを言っていた。人は歳をとれば説教も自慢話もしたくなるもの。なのにまるで立派なことを言わないから偉い。高田純次で好きなエピソードは「ファンです」と寄ってきた子供に「そうなの? 嬉しいね~。よかったらこれで美味しい物でも食べて」と、カバンから割り箸を出して渡した話。

 

 

 

▼秀吉が信長に送った手紙を読む。信長は天下統一までもう少しのところまできていた。信長は、中国地方を治める毛利氏を秀吉に攻略させていた。秀吉は毛利を落城寸前まで追い込んでいたが、あと一歩のところで信長に救援要請の手紙を出す。加来耕三さんの本によれば、これは秀吉ならではの気遣いだという。自分の力だけで落とさずにあえて信長に頼むことで、自分の功績が抜きんでて他の武将から嫉妬されないよう配慮したのではないかと推測していた。それと信長に「やはり自分の力だけでは無理です」とおもねっている。信長もそんな秀吉がかわいかったのではないか。

 

また、新選組の永倉新八は副長の土方歳三に細かいことでもいちいちお伺いを立てた。他の隊士が永倉に「なぜそんなことをするんだ」と訊くと「頭のいい人には、いい人なりの機嫌の取り方がある」と答えていたように思う。『新選組血風録』に出ていたかも。これは資料に残りにくい話だし、司馬遼太郎の創作かもしれないけど。人はちょっとした頼み事をされると嬉しく感じるもの。秀吉も永倉新八もそういった人情の機微をわかっていたのかもしれない。

 

仕事を請けている会社に行くとSくんが近づいてきた。「ちょっとお願いしたいことが」というので話を聞いてみると、かなり急な仕事だった。「これ納期3日しかないし、先方と打ち合わせしなきゃいけないんじゃないの」と確認すると「月末月初は忙しそうで声掛けたら悪いかな~と思って」などと言う。月末月初って、もう10日過ぎではないか。たとえすぐに作業に入れなくても予定は入れておくので今後は言ってくれたまえ。あと、おまえの家、燃やすぞ、ということをごく丁寧な口調で言った。ちょっとした頼み事は人の絆を強くするかもしれないが、大きすぎる頼み事は殺意しかない。バタバタしている間に11月も中旬。

 

 

 

▼映画の感想『残された者 北の極地』を書きました。マッツ・ミケルセンが北極で四苦八苦する映画。マッツ・ミケルセンがお好きな方はという作品。