玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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最強武将を決めたい

▼ミニトマトは枯れて、プリンを作る。

 

 

味は良かったけれど全然美味しそうに見えないのだな。写真の撮り方が下手なので、私が撮ると全部ホラーになる。写真をうまく撮らないために生まれてきた人間。初めて作ったプリンは存外うまくできた。ほほほ。材料も特別なものがなくて簡単。レシピはこちらを使いました。

 

 

 

▼料理は得意ではなく、簡単な料理を適当に作っている。レシピはいつの間にか忘れて減ってしまうので記録することにした。作り方や材料を書いているとだんだん楽しくなってきた。得意ではなくても70種類ぐらいレパートリーがあるのだな。作り方や材料以外にも、いろいろ数字を付け足したくなる。子供の頃、シミュレーションゲームの『信長の野望』や『三国志』の武将データを見るのが好きだった。数字の並びを見て1日ニヤニヤしているのが好きだった。気持ち悪い子供だな。

 

 

武将には内政、統率、武勇、知略、外交などさまざまな数値が設置されている。それを料理にも付けてみた。

 

 

試験的に「味」「手間」「難易度」という項目をつけてみる。この他に「コスト」を加えるか悩むが今回は見送った。「コスト」を加えた場合、モヤシ系料理が最強武将になってしまう恐れがある。なにせモヤシは20円から30円で買える。手間も難易度も低い。モヤシのナムルが我が軍の最強武将で本当にいいのか? それは許しがたい。料理ですけど。

 

そもそも「味」「手間」「難易度」を同じ比率で評価しているのが問題なのだろうか。料理の本分が「味」であるなら「味」の項目は他の項目の2倍の得点を与えてもいい。悩むなあ。誰にも頼まれていないけど。そこへ隣席のTさんから電話連絡があった。「ちょっと時間いいですか?」と訊かれたので「うーん‥‥」と生返事をしてしまう。「今何か作業してます? 」と畳みかけられるが、料理データに他の要素「コスト」「健康(調味料の多さ、カロリー)」を加えるべきか、悩んでいるだけだった。

 

正直に、我が軍の最強料理を選ぶために数値化してニヤニヤしていたというのは気持ち悪いような気がして「何もしてない。ずっと壁を見ていただけ」と言う。「え‥‥壁を‥‥?」と言われ、沈黙されてしまう。レシピをまとめていたと答えるのが正解だったような気がする。仕事のやりとりをして電話を切った。しばらくしてTさんからメールがきた。

 

「今、コロナでみんな大変な時期だと思います。心のバランスを崩したり、そういう人も多いですよね」などと心配されている。全然違うんだけどな。バランスは前から狂ってるし。楽しく最強武将を決めてたんだけどな。むしろ余計な打合せが減って好調。ほほほ。きちんと説明したほうがいいかな。「私は正常、私は正常、私は正常、私は正常、私は正常、私は正常、私は正常、私は正常」って書いて返信しようかな。とりあえずプリン作って食べよ。

 

 

 

▼もう2週間前だけどMLBで行われたヤンキース×ホワイトソックス戦のイベント、とても良かったですね。映画『フィールド・オブ・ドリームス』のまま、トウモロコシ畑を買って球場を作って、トウモロコシ畑から選手たちが出てくる演出にしびれた。ケビン・コスナーの映画のセリフを交えたスピーチ、あのBGMもすばらしかった。たまらない。試合も劇的な内容だった。

 

 

 

 

▼映画の感想『ザ・ハント』を書きました。目が覚めたら森にいて殺し合いが始まる、わかりやすいシチュエーションホラー。テンポも良く、まとまっていてサッパリとした作品。