玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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今日の収穫は井端のダブルプレー

▼公園を歩けば、茶色いセミの抜け殻が並んでいる。近くで遊んでいる子供たちが並べたようだ。セミの抜け殻っていつ見てもエイリアンぽい。昔、ボーイスカウトのサバイバル読本に「食べ物がないとき、セミは生で食べられる」と書いてあり恐怖した。「アホか、おまえ」と思いました。先輩が読んだら「食ってみろ」と言われかねない。ボーイスカウトなんてアホしかいないのだから。

 

実際にセミを食べさせられることはなかった。助かった。ほら、ボーイスカウトって字が読めないから。怒られる。

 

 

 

▼ミニトマトに実はつき、大谷選手は4打席凡退。そういう日もある。

 

 

植えてから3カ月、ミニトマトに実(写真右の緑のもの)がなりました。嬉しさのあまり舞をひとさし舞った。花が散ったあとの笠になるようです。ほほほほほ。「ミニトマト レシピ」を検索する。

 

 

 

▼東京は、コロナで肺炎などの症状がある中等症の患者も自宅待機となった。入院ができない。今後は、入院できていれば重症化しなかった人たちがたくさん出てくるかもしれない。恐ろしいこと。

 

周りでオリンピック賛成と反対で揉めている人がいた。ちょっと険悪な雰囲気になっていた。ただの運動会であるからして、そういうことで揉めるのもどうかと思うのだけど。みなそれぞれに言い分や正しさがあるが怒りっぽいのは困りもの。アルバイトのギャルと私だけが思想がなかった。ギャルは偉い。私はオリンピックには反対だけど「面白かったら観る」という節操のなさ。日米野球を観たら、とてもいい試合で面白かったがトーナメントの方式がよくわからなかった。参加国が少ないから何回も負けられるのかな。

 

スポーツ観戦は好きだけどインタビューはあまり好きになれない。「この喜びを誰に伝えたいですか」とか「支えてくれた家族の方に一言」とか、無理に感謝のコメントを引き出そうとしている。なぜあんなに感謝させたいのか。周りにまったく感謝せず「完全に自分の実力だけで勝ちました」と勝ち誇る勇者がでてきてほしい。炎上するけど。みんなもっと好き勝手言っていい。

 

 

 

▼YouTubeで元中日ドラゴンズの井端さんの動画をよく観ている。現役時代、ファインプレーをしてもニコリともせず、さも当然といった様子でベンチに帰ってくる渋い選手だった。現役時代の印象とは違い、よくしゃべるし話も面白くて驚く。

 

井端さんの現役時代、不思議に思ったことがある。井端さんがサードゴロを打ってダブルプレイとなってしまい、それが原因で負ける。翌日の新聞に「今日の収穫は井端のダブルプレー」と落合監督のコメントが載っていた。この言葉の意味がわからず、また落合監督がマスコミに対して「君らにはわからなくて結構」と挑発的なことを言ったため、当時野球ファンの間でも話題になった。井端さんも当初は意味がわからなかった。その意味について井端さんがYouTubeで話していた。いやあ、いい時代になったなあ。

 

野球を観ていない人にはなんのことやらの話ですが、一塁にランナーがいるときのセオリーは少しでもランナーを進めるため、ライト方向への右打ちをすることが多い。右バッターである井端選手はそのセオリーに忠実だったが、この打席ではセオリーとは違い、サードへ引っ張ってゲッツーとなってしまう。結果はよくなかったものの、これを落合監督は評価していた。常に右打ちを狙うのであれば、守備側はシフトを敷くし、配球も右打ちがしにくいものとなる。狙いがわかっているので対策が立てやすい。だが、たまに逆方向へ引っ張るようなことをすると、相手も極端な守備隊形はとりにくくなる。そうなると自然に右打ちの成功確率も上がる。以降、井端さんはたまに引っ張ることで相手を攪乱していく。

 

大谷選手がごくたまにバントヒットを狙うのも同じような意味だろう。バントもあれば、相手はサード側を開けておきづらい。結果、全体としての打率が上がるという。狙いを絞らせないこと、こちらの選択肢を増やしておくことが重要なのだ。井端選手はこの考え方を配球にも応用してチャンスでの打率を上げていく。きっと守備にも取り入れられているだろう。聞いてみれば、この話自体はそんなたいした話ではない。だけど、いきなり「おまえ、こういうときはこうするものだぞ」と教えるのではなく、選手に自分の頭で考えさせたことが落合さんらしい。楽に答えをもらうと頭に入らない。考えに考え抜いて答えにたどりつくと、考え方が体にしみこむ。

 

井端さんはプロとしては体格に恵まれていたわけでもなく、特別何かが優れていたわけではない。それでも高い打率と堅実な守備で活躍できたのは、考える力が他の選手より勝っていたからかもしれない。当時の中日が強かったのも、考える選手が多かったからだろう。人から言われたことをやるだけの人が、自分で考えて動いている人に勝てる道理はない。考える人を増やすこと、落合野球の恐ろしさはそこにあったのかな。

 

 

言葉は受け取る側にも力量がいる。価値ある忠告も考えなければ騒音にしかならない。

 

 

 

▼映画の感想『メイドインアビス 深き魂の黎明』『THE GUILTY/ギルティ』を書きました。『メイドインアビス』はテレビシリーズが好きだった人なら間違いなくお薦め。面白かったです。でも、子供が裏切られる展開が苦手。あまりにかわいそう。大人はいくら不幸になっても胸が痛まないのに。不思議~。

 

『ギルティ』は緊急通報指令室にかかってきた被害者との通話だけで物語がすすむ変わったサスペンス。緊迫感もありつつ捻った展開でよかったです。