玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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セルフカット

▼モノマネ芸人たちの飲み会に参加して、いろいろと話を聞いた。モノマネ芸人たちは飲み会の席でもモノマネを披露しあって盛り上げる。でも、普通と違うのはただのモノマネじゃないんですね。たとえば、誰かが田中邦衛になりきって「ホ、ホタル‥‥」などと北の国からのマネをする。そして田中邦衛状態のまま、今度は森進一をやるのだ。田中邦衛が森進一をマネていることになる。二重にマネておりレベルが高い。さすがモノマネ芸人たちの飲み会! というところで目が覚めた。

 

とても感心したが、そもそもそんな事実はない。ただの夢なのだ。なにこの話。感心した気持ち、返してほしい。

 

 

 

▼去年の年末、勢い余って丸坊主にしてしまった。イメージしたおしゃれ坊主にはならず、周囲からは囚人とか脱獄犯とか言われて散々な評判だった。せめて模範囚と呼ばれたかった。あれから2ヵ月弱がたち、後ろ髪も伸びてきた。そろそろ散髪の時期。ここで普段ならば髪を切りに行くがコメント欄で「自分で刈っている」という人を見て、私もやってみたくなった。うらやまし。バリカンを買いました。今後はセルフカットの人生を歩むのです。

 

バリカンにもいろいろある。大別するとコンセントにケーブルを挿しながら使う交流式と、ケーブルがない充電式がある。交流式はパワーがあるが刈るときにケーブルが邪魔になる。充電式は充電池が切れたら使えなくなってしまうが、ケーブルがないので使い勝手がいい。一長一短。長く使うことを考え、交流式のものを買った。ほほほ。

 

洗面所で「東京オリンピック2020」とかかれたカッパ(去年どこかでもらった)を着て、新聞紙を広げ、散髪を始める。バリカンにはアタッチメント(下図右)というのがある。アタッチメントを付け、バリカンのほうで長さを設定する。これで刃との距離を調整して刈りすぎを防げる。

 

でも、初めてだから勝手が良くわからない。刃を当てる角度もわかっていない。1.5センチと長めに設定していたせいか、思ったように刈れないんですね。刃が切れないのか、アタッチメントが邪魔をしているのか。試しにアタッチメントを外し、耳の上にあててみる。新聞紙に「バサッ」と髪の塊が落ちる音がした。鏡を見ると右耳の上の毛がごっそり刈られ、地肌が見えている。チョロQ2台ぐらい駐車できるスペースがあった。ハゲとるやないか。思わず関西弁になるぐらい恐怖した。

 

そのあとYouTubeでセルフカットの動画を探す。「思ったように切れないからといってアタッチメントは絶対に外さないでください」と力説していた。10分前に言ってもらえればな。左側と後ろ側はそれなりにうまく切れた。練習すればだんだん上手になるかもしれない。そういう楽しみがある。とりあえず今は右耳の上の空き地をどうするか考えている。ためしに絆創膏を貼ってみたところ目立つ。場所が頭だけに大けがに見える。物騒。絆創膏では隠れないので新しくニット帽を注文した。

 

買い物などはいいとしてスーツで行かなければいけないところもある。スーツにニット帽はオシャレ上級者でも無理では。まして私などファッション難民なのだから、どうしようもない。いっそ毛がないところに合わせて、また丸刈りにするというヤケクソの作戦も考えたが、おしゃれ坊主になる自信はない。囚人になる自信がある。もう番号で呼ばれる生活に戻りたくない。部屋の隅で膝を抱えて泣いている。

 

 

 

▼特集 縁を生かす。

SNSでみかけたホロリとくる話。担任も生徒もすばらしいのはもちろんだけど、1年から4年までの先生がきちんと見ていたからこそというのがある。誠実な仕事が人を救う。

 

 

 

▼映画の感想『ブリス~たどり着く世界~』を書きました。SF映画に見せかけたちょっと変わった作品。Amazonオリジナルの作品は監督と脚本を両方担当している場合が多い。どこかとんがった作品が多いですね。