玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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クレーム

▼幼馴染の友人NとSkypeの音声通話で話した。2時間くだらない話のみだった。楽し。コロナのこともあって外出が減り、最近は体力が落ちている気がする。Nと話している間、踏み台に昇ったり降りたりしながら足を鍛えていた。

 

 

ほほほ。有効に時間を使っている。そう喜んでいたらNが「さっきから何ハアハア言ってんだ。おまえ‥‥まさか俺でヌいてるんじゃないだろうな」と言う。その場は「そうなんです。いつもお世話になってます」と済ませたが、通話を終えてから怖くなった。

 

踏み台運動をやり始めたのは、つい最近のことで、打合せで女性と通話したこともある。そのときもハアハアしていたかもしれない。Nとは親しい間柄だから、はっきり指摘してくれたが、仕事上の付き合いでまして女性ともなると指摘できないだろう。ハレンチなことをしていると思われたらどうしよう。ハレンチて。

 

隣席のTさんと通話したとき「最近、運動不足で、通話しながら踏み台運動をしていた」と恐る恐る言ったところ「ああ! それでこの前から‥‥ずいぶん興奮してるなと思ったんです」と言う。いや、なんで興奮している奴を野放しなのか。注意しなさいよ。「おまえ、気持ち悪いぞ」と言ってくれたほうがまだ助かるのに。もう女性との通話で踏み台運動はやめにする。今度から男に対してだけハアハアしていく。

 

 

 

▼クレームを受ける。あるファイルを作らなければならないが、急ぎではないので他の作業を進めていた。連絡係を務めるA君によると特に納期もない仕事とのこと。私は「4日後にとりかかる。作業は1日か2日で終わると思う」とA君に伝えていた。急にA君から連絡があり、お客さん(発注者)であるBさんが怒っているからとにかく謝ってほしいと言われる。謝るも何も、そもそも状況を説明してほしいと言うと、Bさんが怒ってしまって訊けないという。なにそれ。恐ろし。

 

電話にでるやいなやBさんは「あんたらどうなってんだよ!」とヒートアップしている。よくよく聞いてみればBさんが怒るのも無理はない。A君に作業を依頼してから5日間、何も連絡がないという。Bさんにしてみれば、いつ完成するのか、順調に作業が進んでいるのか、トラブルが発生しているのか、何か理由があって滞っているのか、まったくわからない。進捗や終了の目途など、何もわからなければイライラして当然。予定を連絡しなければならない。

 

A君は、私が作業を完成させた時点でBさんに知らせればいいと思っていたらしい。ここが問題なんですね。仮に進展が何もなかった場合でも、ないということと今後の予定は伝えなければならない。連絡が悪いというのが、クレーム発生の原因でかなり多い。問題なのはA君が何が問題なのかまったくわかっていないことにある。私に電話がある前に、A君の上司にクレームがいったらしいが、事前にA君が上司に「Bさんは怒りっぽいし、自分と相性が悪い」などと報告していたため、上司はBさんの話を受け流して終わってしまったらしい。クレーマーっぽい人と判断したのだ。

 

Bさんからすれば、立て続けにいいかげんな対応をされたわけで、その状態のまま私のところに連絡がきた。前にテレビでよく見たけれど、芸能人が風船をもたされて、風船がどんどん膨らんでいき、それを次の人に渡してという罰ゲームがある。あれだな。爆発寸前のところで渡してきたな。それで私のところで爆発したという。無実じゃん、私。登場人物の中でもっとも罪がないのに。Bさんと話した結果、A君ははずして私と直接やりとりすることで落ち着いた。

 

A君にしっかり説明したのだが「あのお客さん、怖くて苦手なんですよねえ」とまるでわかってない。とりあえずA君の舌を切り落として松屋にもって行くことにする。切った舌は、今なら新メニューのマッサマンカレーと交換してもらえるらしい。