玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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未来の森さんから

▼寝て起きたら森さんが叩かれていた。なんだかよくわからん間に叩かれている。乗り遅れてしまった。

 

森元総理は、今はオリンピック組織委員会の委員長なのだな。女性蔑視発言があり、その発言を謝罪するための会見もひどかったとか。なるほどと思う。そもそも失言の多い人だった。フィギュアスケーター浅田真央さんを「大事なときには必ず転ぶ」と言ったこともあった。いや、あんたもなかなかだぞ、と思いますけど。派手に転んでる自覚なさそう。

 

森さんの発言を読んだけれど特に腹は立たなかった。そういう人なのだと思うし、正直なことを言えば少しかわいそうに感じた。べつに森さんをかばう気はない。私はオリンピックはやらないほうがいいと思っている。中止か延期という決断をして、コロナで入院しなければいけないにもかかわらず自宅待機を余儀なくされている人たちに選手村を開放したほうがいいと考えている。

 

会見の要約を読むと森さんは周囲がなんで怒っているか、理解できてないのではないか。だから逆切れもする。それは無理もない。83歳なんですよね。たまに昔の邦画を観るけれど女性差別がひどい。昔の落語を見れば「女房と畳は新しいほうがいいなんて申しまして」と始まるものもある。それが当たり前だった。そういう時代を生きてきた人だ。だから許せということじゃなくて、森さんにしてみれば、ついこの間まで怒られなかったのにみんな急に怒っていると感じているのでは。

 

歳をとれば理解力も判断力も落ち、価値観の更新も難しい。興味がないことについていくのが難しくなる。LGBTもITもSDGsもなんのことやらかもしれない。83歳ともなればそれが当たり前に思える。森さんの姿は未来の自分の姿なのだと思う。そう考えると、あんまりいじめるのもちょっと酷ではないか。もう任に堪える能力がないのかもしれない。ここで潔く辞めて、組織委員会の委員長は女性に託してもいい。

 

しかし、IOCは偉い。「森会長は謝罪した。この問題は終了と考える」と広報担当が取材に答えている。悪の組織と思っていたが、悪の組織なりに味方をかばっているのがいい。それに比べると日本の議員は静かだな。森さんにお世話になった人もいるだろうに。友達甲斐がないこと。

 

 

 

▼打合せ。こんな時期だから行きたくないと言いたいが、お客のほうから「是非一度、直接お会いして」と言われると断れないのだった。難しいところ。はっきり言えば、こちらがどこの馬の骨だか信用ならないので一度来いという話なのだろうけど。顔を見てもらったところで「やはり馬の骨だな」と確認されるだけなのだが仕方ない。行った。確認された。仕事をくれるかは知らない。

 

 

 

▼映画の感想『シティハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』を書きました。原作愛を感じるリメイク作品。フランス人監督なのにまったく違和感を感じませんでした。原作ファンにはお薦めです。