▼緊急事態宣言が出たこともあり、一都三県では成人式のほとんどが中止された。一月といえば荒れる成人を観察するのがひそかな楽しみだったのに残念。成人式は同窓会のようなものだから中止も仕方ない。自分が参加した成人式についてはあまり憶えていない。市が若者向けにと考えたのか、地元出身のヘヴィメタルのバンドを呼んでくれた。ボーカルの人は張り切って大音量で絶叫したものの、ライブハウスではないのでファンが集まっているわけではない。客席は静まりかえっていた。
爆音での演奏中、みな立ち上がって盛り上がることもなく、ただじっと座って聴いていた。演奏が終わるのを待っていた。誰も悪くないがお互いにとって地獄だったな、あれは。それと久しぶりに会った友人と盛り上がりすぎて、成人式でもらった記念品を全部どこかに忘れてきたのだけは憶えている。
▼丸坊主にしてから２週間あまり。だいぶ髪も生えてきた。坊主にしてわかったが、私の頭は前のほうから頭頂部にいくまで一ヵ所、へこんでいるのだ。スプーンのような窪みがある。赤ちゃんの頃に頭にボーリングの玉を置いて育てられたのでは。それと後頭部が絶壁。
子供の頃、技術家庭の時間に直角定規を後頭部にあてられ「絶壁！」とからかわれたことがある。アホか。誰が絶壁じゃ。おかげさまで火曜サスペンスのロケによく使われております。今年も頭が絶壁の人間が書く日記をよろしくお願いします。そういえば、日記を電子書籍化してAmazonなどに置くこともできるんですね。作ろうかな。
▼俳優で元カリフォルニア州知事のシュワルツェネッガーがアメリカ連邦議会議事堂襲撃について述べているが、とてもいい内容だった（HUFFPOST）。シュワちゃんに対するイメージがだいぶ変わった。
SNSでは陰謀論を信じているトランプ支持者をみかけることがある。彼らはマスメディアが本当のことを伝えていないと主張し、極右的あるいはカルト的なサイト、動画配信の情報を信用している。年末特番の超常現象スペシャルなどで「金星人の住民票を持っている」とか「国家機密を知っている」という超常現象サイドの人がいたが、大槻教授などに「なんでNASAも知らない情報をあんたが知ってるの？」などと突っ込まれていた。今回もまさに金星人の住民票を持っている人たちが多くいて驚いてしまう。韮沢編集長と違って本気なのが怖い。
つい茶化したくなるものの茶化してはいけないのかもしれない。シュワちゃんの翻訳された記事を読むと、父親や近所の人たちがナチスに加担したことが書かれている。嘘に嘘が重ねられ、社会が不寛容になり制御不能に陥ってしまった。それは差別的な考えを持つ人だけではなく誰にでも起こりうることだったのだろう。当時の人への憐れみも感じられた。
陰謀論にどっぷりはまった人は攻撃的になりがちだが、それを否定する人もまた攻撃的になりがちで相手を嘲笑する人も多い。人は、相手が自分にどんな感情を持っているか敏感に察する。相手が自分を見下していれば、それが直接的な言葉ではなくても、どこかで伝わってしまう。人は驚くほどそういった気配に敏感なのだ。一度、反感をもたれてしまえば言葉は相手に届かない。陰謀論者をかたくなにさせている原因の一端は、否定する側の態度にあるようにも思える。シュワちゃんのメッセージには陰謀論者を見下すような言葉がなかった。陰謀論は否定しなければならないが陰謀論者を見下すようならば彼らの心は閉ざされ、断絶はより深まるだろう。
▼映画の感想『記憶にございません』を書きました。久しぶりの三谷映画。雰囲気が良かった。中井貴一がもっとぶっ飛んだ悪人でも良かったなあ。
