玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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親は埋めないほうがいい

▼家にホットカーペットがある。あれを敷いて、上に毛布をかけて、その間に体を差し込むとぬくぬくして大変気持ちがよいのはご承知のとおり。体が溶ける。冬場にホットカーペットを使うと無限に寝てしまう。時間がいくらあっても足りない。あれほど気持ちがよく、抗しがたい眠気があろうか。ない。ということで、ホットカーペットを使わない冬が続いている。堪えている。人生は修行。今日、ふと押入れを見たらホットカーペットを見つけたのだ。

 

使いてー。

 

 

 

▼BSでビッグフット(UMA)の番組をやっていた。最近はこういった怪しげな生物の番組は放送しなくなってしまった。宇宙人もチュプカブラもない世の中だ。視聴者が賢くなってしまったからなのか。つまらん。好きなのに。当然、ビッグフットは発見されるわけもなく、足跡を分析して「ビックフックはどこかに必ずいるはず」みたいな終わり方になっていた。それでいい。

 

 

 

▼1秒たりとも無駄にしたくないが口癖の24時間くんと話す。コロナ以前の時代、まだ日本に飲み会という文化があった頃の話。新入社員だった24時間くんは飲み会に参加し、その場には私もいたという。24時間くんは親とうまくいっておらず、それを飲み会の場で打ち明けたところ周囲から「親と和解したほうがいい」「最後はなんだかんだ家族に頼るんだから、親とうまくやっていかない奴は駄目だ」と諭されて、うんざりしたらしい。そのとき私が「べつに和解する必要はないと思います」と言い、その一言ですごく楽になったという。そんなこと言ったかな。まったく憶えていない。言いそうもないんだけどな、角が立ちそうだし。「まあ、あの、いろいろあるよね~。でへへへへ」という毒にも薬にもならないことを言いそうなのが私だ。

えらく24時間くんに感謝されていた。親と仲良くしたほうがいいというのは一般論ではもちろんなのだけど、実際のところ彼の親がどんな人間かもわからない。虐待をしたり、ひどい差別主義者かもしれない。24時間くんと親の関係を知らないので何が言えるわけでもない。一般論や正論は、まったく個人を救えないことがある。だとしたら、会っていきなり殴りあわない関係にもっていければ、それで十分じゃないかと思う。

 

思えば人はそれほど仲が良くない。クラスに同性が20人いて、そのうち本当に気が合う友人が1人いれば良くて、いないことだってある。もちろん一緒にいるグループだとか、遊ぶ友人は4,5人はいるだろうけれど。でも本当に気が合う人となると、そんなにはいない。だとすると親と合わなくたってなんの不思議もない。これは親だけでもないが、人と合わなくて当然なのだ。だって1/20なのだから。

 

でも、たとえ親と合わなかったとしても親を見限るのはやめたほうがいいと思う。私の父は若い頃は酒癖がひどかった。それでずいぶん嫌な目にも遭ったし、それもあって私は酒を飲まないというのもある。でも、父が五十歳を超えたぐらいの頃、酒との付き合い方が変わった。歳をとって無茶な飲み方ができなくなったのかもしれないが、人に迷惑をかけるような飲み方がなくなった。性格も角がとれて丸くなったし、エゴのような部分が削れてきた。人は歳をとっても成長できるんだなと思った。だから、人を見限るのはやめたほうがいいと思う。せいぜい殴りあわない関係になれれば。私も五十歳以降の父とは良い関係が築けた。十代の頃は、いつか埋めてやろうと思ってたけど。私が24時間くんに言ったのは「親は埋めないほうがいいよ~」ということだった。「当たり前じゃないすか! 何言ってんですか!」と怒られた。

 

 

 

▼『攻殻機動隊SAC_2045』(シーズン1)を観ました。ついに観てしまいました~。は~。基になった『攻殻機動隊S.A.C.』が好きすぎて、好きすぎるがゆえに以降に出ていたアライズになじめずショックを受け、今回のフル3DCGとなった2045も「どうしたもんかいな」と手を出しかねていた。

 

 

思っていたよりも3DCGの違和感が大きく、結局最後までその違和感は解消されることがなかった。止まっているときは、それほどでもないのだけど動いている場面、特に格闘場面での違和感は大きい。ゲームっぽくもあるし、なんかこう「ペチペチやっとる」という感じがするんですよね。のっぺりとしたオフィス街はまだいいけれど、生活感がある猥雑な繁華街などはまだ手書きのほうに魅力を感じてしまう。京都の田舎を観て思いましたが、実写に近い印象を受けた。ひょっとしてフル3DCGという試みは、絵を描くということではなく、生身の俳優が演技しているような実写的表現を目指したものかもしれない。とはいえ、ペチペチ感がすごいんだよなあ。

 

ストーリーはシーズン2からが本番という感じもあり、まだこれからでしょうか。しかし、バトーが銀行強盗に遭遇する回ですが、銀行内に防犯カメラがまったくないというのは、この時代にありなのか‥‥。紙紙幣を使うのは老人だけなので、銀行には老人しかいかないという設定は面白いのだけど。そういえばトグサが一部、義体化してました。そんで相変わらずタチコマはかわいいな。私も並列化してほしい。