玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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小さいおじさん

▼医療関係の本を読んでいた。

 

もうだいぶ前になるけど、心霊番組で芸能人が怪談話をしていたときのこと。その芸能人が誰かは忘れてしまったけど、中年の男性だった。彼は「小さいおじさんが見える」と言って笑いをとっていた。その話がうけたからか、それから女性アイドルたちが同じように「小さいおじさんが見える」という話をしていた時期があった。

 

今日、読んでいた本のレビー小体型認知症の項には、症状の一つに幻視があると書かれていた。小動物や人影が見えることもあるし、小さいおじさんが見えることもあるらしい。怪談で「小さいおじさんが見える」と話していた男性は、レビー小体型認知症の症状が出ていたのかもしれない。それをみんなで笑っていたとしたら、それはまた別の怖さがある。小さいおじさんの話が放送されなくなったのは、医療関係者からクレームが入ったのかもしれない。最近、漫画家の蛭子さんがレビー小体型認知症にかかっていることを明かしたが、蛭子さんも小さいおじさんが見えたり、本棚の本が発火する幻覚を見るという。

 

とりとめなく「おお‥‥そうなのか」という話を書いてしまった。

 

 

 

アメリカ大統領選挙が始まった。アメリカでは選挙人制度という間接選挙で大統領が決まる。これがよくわからなかった。帰国子女の方がいたので、選挙人制度の成り立ちを教えてもらう。ウィキペディアにも聞いた話と似たようなことが書いてあった。

 

選挙人制度が出来た1787年時点では有権者に情報を知らせる手段であるテレビ、ラジオがなく、新聞はあったが識字率も低かった。大統領候補の主張、人柄などを知る機会も少ない。そのため全米で同時に直接選挙をおこなうことが難しかった。そこで地域の名士を選挙人として指名し、選挙人が大統領を選ぶ方法を採用した。

 

それともう一つ事情があって、黒人奴隷についての話。当時、奴隷には選挙権がなかった。そのため選挙権を持つ人数だけでみるとアメリカ北部が多く、決定権を北部がもってしまう。それを恐れた政治家ジェームズ・マディソンは選挙人の数を決める有権者数に奴隷の人口を加えることを提案する。奴隷に選挙権は与えず、奴隷の数だけはかぞえて人口あたりの選挙人を増やすことができる。これで南部も北部に対抗できる。すごいこと考えるなあと、感心してしまった。映画『マディソン郡の橋』で有名なマディソン郡ですが、マディソンの名前からとられているそうです。

 

 

 

▼さきの帰国子女の男性ですが、彼はアメリカの大学ではディベートクラブ(弁論部のようなもの?)に所属していたという。実際にちょっとディベートをやってみますかと言われ、あるテーマについて討論した。最初、優勢かと思ったのだがいつの間にかスルスルとひっくり返されてしまい、負けてしまった。2回目は、私がしていた主張を彼が、彼がしていた主張を私がしたのだけど、これもなぜかスルスルとひっくり返されて負けてしまう。合点がいかない。なんかコツがあるな、あれは。100回やったら100回負ける。口が上手いとか下手とか、そういう小手先の話ではない。

 

格闘技の寝技に似ているのだろうか。体の上に乗られても、こことここに力を入れればひっくり返せるというような理論がある。相当なノウハウの蓄積を感じた。「ディベートは口で一方的に殴られているようでズルい。アメリカらしくいさぎよく暴力で白黒つけようじゃないか!」と言いました。だって、アメリカ人てそういう人たちでしょ。力が強いのが偉いと思ってるでしょ。負けて悔しいので積極的に人種差別していく。