玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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オリジナリティ

▼栗の渋皮煮、シュークリームを頂く。盆と正月が一緒にきた。ほほほ。甘し甘し。

 

上から3番目の伯母からスナネコの写真が届く。かわいや。新聞を切り抜いたものだった。写真などネットにいくらでもあるのにと思うが、伯母はそういうことも知らないのかもしれない。ありがたく頂戴する。手紙も同封されており「一日に三つの喜びを見つけなさい」と書いてあった。一日のうちに誰かを一回笑わせられたらいいけれど、三つの喜びというのはかなり大変なのでは。

 

伯母には、いつも気にかけてもらっており、なかなか頭が上がらない。いい人なのである。ただねえ、いつも賞味期限の切れたものをくれる。それと娘と断絶している。それとヤバめの新興宗教に入っている。それさえなければねえ、本当にいい人。スナネコの写真をもらったのに、なぜか悪口を書いてしまった。とにかく、みんな仲良くしてもらいたいもの。

 

 

 

▼先日、オンライン飲み会をしたときに趣味の話になった。以前は、40代にふさわしい趣味を探していたが、もうあきらめてしまった。趣味というと、どうしても形になったものを挙げがちだけど、それが本当に正しいのだろうかと思う。形になったものというのは、世間に認められているような「音楽・映画鑑賞」だとか「ランニング」だとか、きちんとしたやつである。だが、オリジナリティに欠ける気もする。

 

ちょっと前に、中学校に侵入してピアノカバーを盗んだ男のニュース(YAHOO! JAPANニュース)を読んだ。自転車のサドルとか、女性の下着とか、そういう物を集めることは珍しくないもののピアノに掛けるカバーとは、とてつもないオリジナリティを感じる。偉いと思います。ドロボウですけど。

 

私にも何かオリジナリティのある趣味はなかったかなと思い返してみた。高校時代、再放送だったと思うが『私鉄沿線97分署』という刑事ドラマがやっていた。

 

 

鹿賀丈史(料理の鉄人の司会、左から3番目)が出ていたのを憶えている。渡哲也(右端)も出ているがチョロッと出るだけで主役ではありません。『西部警察』の石原裕次郎的な立場というか。派手な銃撃戦が売りの刑事ドラマが多い中、人情で説得するような地味な刑事ドラマだった。

 

学校から帰った時間ぐらいに放送されており、なんとなく観ていた。ドラマの舞台が多摩地区で、住んでいるところからさほど遠くない。電車に少し乗れば行けるような場所なんですね。東京といってもドラマの舞台になるのは普通は都心ばかりで、多摩地区などが出てくることはない。なにせ多摩地区は野生のライオンが出るし、槍を持った人がピョンピョン跳ねているような場所。東京から隔離されたエリア、東京の隠し子、それが多摩地区だ。怒られるわ。

 

97分署を観ていると、電柱に町名や番地が映ったり、交差点にも地名が映ることがある。スーパーだとか、店の看板が映り込むこともある。いつからかノートを手に、画面に映った住所(○○町○丁目○番地など)や店名を書きながらドラマを観るようになっていた。特に聖地巡礼をしようと思っていたわけではなく、ただ書いていたという。

 

ドラマ終了までその趣味は続き、いつしかノートを取っていたことも忘れてしまった。ノートに記載された場所に行ったこともない。大学時代、引き出しの奥にこのノートを見つけた。久しぶりにノートを開いてみると、そこには町名や番地など、番組に出てきた住所が黒字のボールペンでびっしりと書き込まれていた。「キモっ!」と思い、すぐ捨てた。特に感傷的な気分にはならなかった。そういう思い出。謎の趣味が私にもあった。

 

読み返してみたが、ピアノカバーを集めるのは変わった性的嗜好で趣味ではないのかもしれない。でもせっかく書いたので、このまま載せとこ。

 

 

 

▼オンラインゲーム『原神』をプレイしている。冒険ランク40、世界ランク5になった。世界ランク5は廃人レベルと前回書いたが、今の廃人はランク6になっているでセーフ。私はセーフ。

 

『原神』は『ゼルダの伝説』みたいなゲームで、使えるキャラは初期配布のものとガチャで引いたものになる。アクションゲームで、ガチャというのも珍しい気がするけれど。スレッドを見るとガチャの課金額で10万円を超えている人がゴロゴロいてビビる。実装されたばかりのクレーというキャラが人気で、このキャラを引くために何万円も当たり前のように掛ける人がいる。1枚持っているだけでもいいのだけど、4枚重ねると強くなる(最大で6凸)のでなるべく多く引きたいのだろう。

 

買い切りのゲームに慣れてきた世代にとって、ガチャというのは抵抗がある。無課金でぽちぽちとプレイしている。価値観の差を感じて、しみじみとする冬。