玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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幽霊衣服問題

▼お盆が始まる。夏本番の厳しい暑さ。「夏は暑さを楽しみ、冬はその寒さを楽しむ」みたいなことが『日日是好日』(にちにちこれこうじつ)という映画で語られていた。たしかにそのとおり。風流である。ほほほ‥‥でも、程度ってもんがあろうよ。36度ってなんじゃーい! ということでクーラーを使う。35度越えれば風流とか無理。風流も息絶える暑さ。

 

しかし、昔に比べると暑さへの耐性がなくなったように感じる。子供の頃は日当たりのよい団地に住んでいた。私の部屋は南に面しており、夏は蒸し焼きになるような暑さ。クーラーは居間だけにあり、ベランダに置かれた室外機からうだるような熱風が部屋に入り込んできた。親は容赦なくクーラーを使用していた。虐待。

 

そんな状況でもプライバシーを守るため、部屋はピッチリと閉め切られていた。プライバシーというか、ゲームやっているのを観られたくなかっただけですけどー。部屋には温度計があったが、夏の室温はしばしば37度を超えていた。下手すれば熱中症にもなりかねない。だが、夏バテしたとか、体調を崩したという記憶がまったくない。『がんばれゴエモンからくり道中』とか、命をかけてまでやるゲームではないんだけどな。あの厳しい夏の日々を乗り越えて、今の私がある。粗大ゴミとしての矜持を持って生きていく。

 

 

 

▼コメントがついた日は、嬉しさのあまり、赤飯を炊いて舞をひとさし舞っている。コメントをくれた人はウィキペディアに聖人として登録していく。ありがとうございます。

 

 

 

▼夏ということで怪談をいくつか聞く。ふーむ。

 

前から幽霊についての疑問で「服を着ている」ということがある。人が霊になるというのはまあよいとして、服も霊になるのだな。あれはどういったルールなのだろう。体に接触していたものは霊になれるのか。携帯電話、財布、鍵などは霊にならない気がする。横たわって死んでしまったとき、枕とか、かけていた毛布とか、寝ていたベッドは霊にならないけれど、服だけがきちんと霊になる。「これは寝具だからダメ! これは服だからよし!」など、誰がどうやって判定しているのか。地獄に判定員がいるのか。鬼に判定できそうもないけどな、頭悪そうだし。

 

メガネをかけている人は寝ているときは外すし、カツラをつけている人も外す。するとですよ、寝たまま死んでしまうとメガネもカツラも外れたまま霊になってしまう。死後、知人の前に化けて出ても「誰?」ということになりはしないか。メイクが濃い人は大丈夫なのか。私が心配してもしょうがないが。霊はメガネがなくても目が見えるのかな。悪霊になっても「メガネ、メガネ」とやっていると、あまり怖くない気がする。そんなことで今後やっていけるのか。

 

服を着ているのは映画や芝居になった際、いろいろと問題が生じるという都合なのかなあ。全裸だと18禁になってしまう。そもそも霊などいないといえば、身も蓋もない話ですけど。

 

 

 

▼映画の感想『砂糖の甘くない話』『孤独なふりした世界で』を書きました。『砂糖の甘くない話』は砂糖を摂り続けたらどうなるか検証したドキュメンタリー。これ観ると、甘い物が食べられなくなります。特にジュース。『孤独なふりした世界で』は、一風かわったポスト・アポカリプスもの。誰もいない世界をのんびりと過ごしています。しみじみ。