玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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竹林の七賢

▼以前、お世話になっていた会社へ。会長と喫茶店でコーヒーを飲む。ごくたまにあるのですが、何百万円というカップで飲ませてくれるサービス。あれやめてほしい。もし割ったらと思うと、緊張して味がわからなくなる。今回もわからなかった。私などそもそも味がわからぬ舌なのだから、人の頭で作ったドクロの杯で十分。戦国時代に流行ったやつで十分。

 

会長はコーヒーと一緒に注文した手作りガトーショコラを私の方へ押しやった。私にあげるという優しさではなく、単に好みの味ではないから食べたくなかったらしい。「またそうやってわがままばかり」と言うと「俺はもう食べられる回数があと少ししかないから、まずい物は食べたくないの!」と返ってきた。寿命を人質にして、わがままを突き通すんじゃないよ。そういう人間に限ってなかなか死なない。

 

ガトーショコラは「まあ、たしかに‥‥」というお味。まったく甘くなかった。

 

 

 

▼古代中国の本を読んでいるとたまに竹林の七賢が出てくる。三国から西晋の時代の七人の賢者のこと。賢者といわれるけど変なエピソードが多い。

 

阮籍(げんせき)は自分の嫌いな人が訪ねてくると白眼で対応したとある。いくら嫌いだからって、やってることが小学生では。劉伶(りゅうれい)は酒浸りで、飲んでいると陽気になって全裸になってしまう。よくある酔っぱらい。妻が心配して意見したところ「自分では断酒できないので神様にお願いする」と、酒と肉を用意させた。そして祝詞をあげ「女の言うことなど聞かない」と言って肉を食い、酒を飲んで酔っ払った。ただのクズじゃんかあ! 面白いお人。

 

他にも竹林の七賢のメンバーで話していて、あまりに気持ちがたかぶって射精してしまったというエピソードがあったはずだけど、その話がどこを探しても出てこないんですよね。日本はおろか中国のwikipediaも確認したけどなかった。おかしい。おかしいのは私の頭か、幻想なのか。周りに訊こうにも女性に訊けばセクハラ、男性に訊けば狂人あつかいになりかねない。検索しても出てこない。ありましたよね? この話。

 

これはYahoo! 知恵袋しかないだろうか。あそこは頭のいい人しかいないからな。竹林の七賢みたいな狂人しかいないんだから。万策尽きた。

 

 

 

▼映画の感想『家族ゲーム』を書きました。学歴社会を皮肉った斬新なコメディ。松田優作伊丹十三由紀さおりなどが出演しています。本当に変わった作品で楽しめました。