玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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一緒にいる意味

▼鬼越トマホークのラジオ面白かったなあ。金ちゃんのお父さんは居酒屋をやっている。お客さんから野菜の受け渡しを頼まれて、違うお客さんに渡していたという。ある日、警察が店に来る。その受け渡していた大根の中はくりぬかれており、覚醒剤が入っていたとか。なかなか刺激的なお話。

 

 

 

▼緊急事態宣言も終わり、日常が徐々に戻ってきた。だが、私に仕事は戻ってこないのだった。ホワイ?

 

ホワイって英語で書いたほうが良かったんじゃないかしら。ほら、片仮名だと伝わりにくいような。奇声を発したのと勘違いされないかな‥‥って、そんな場合じゃないんだよ。4月からおまんまが食い上げであるからして、こりゃ、3億円事件もやむなしという状況。白バイ警官の制服に着替え、拳銃に弾をこめたところで、以前に仕事をもらったMさんから連絡があった。強盗しなくて済んだ。ネットで話せばいいかと思いきや、どうしても会って話したいという。リモートで甘やかされてきたので外出がめんどくさい。外出自粛によってダメ人間に磨きがかかった。

 

Mさんと打ち合わせ。Mさんは目の前のノートPCを指差した。「必要なデータもソフトも全部入っている。でもパスワードがわからない」という。Mさんはコロナで自宅待機中に奥さんとケンカ。Mさんのご家庭では高額商品は所有権が明確に定まっており、離婚したとき速やかに財産をわけることができるという。PCは奥さん所有。なぜ奥さん所有のPCでMさんが仕事しているかはわからないが、とにかく所有権は奥さんにあり、ケンカを境にPCにパスワードが設定されてしまったらしい。家でリモート会議をするのも気まずいし、PC使用料を請求すると言い出して、たまらず家を出てきたとか。ギスギスという音が聞こえてきそうなご家庭。って、人の家庭を中傷するのやめとこ。

 

パスワードリセットは簡単だが、前に奥さんが設定したパスワードが何かはわからなくなってしまう。「仮にですけど、仲直りのきっかけのために奥さんが結婚記念日やMさんの誕生日にパスを設定していたりとか、そんなことないですか?」と訊くと「一応、入れてみるかな」と、Mさんは満更でもない様子。パスを入れてみるMさん。あっさり拒絶された。ただ単に気まずくなっただけだった。そんな恨みがましい目で見るんじゃない。元はおまえのせいだろ。

パスリセットでパソコンにはなんとか入れて、打ち合わせも終わり雑談。Mさんは奥さんから宿題が出され、「私たちの一緒にいる意味って何?」という問いに夕飯までに答えろと迫られている。「AとBの仕事で優先度の高いものはどちらか答えよ」とかならいいんですよ。正解があって、きちんと理由も答えられるやつは。外したら死ぬクイズを出題するのやめてほしい。東大生の正答率3%以下みたいなの出さないで。

 

Mさんに知恵を出せと言われる。いい歳したおっさん二人がああでもない、こうでもないと議論した結果、googleで「私たちの一緒にいる意味 模範解答」って検索した。アホの学生がレポート書くときにやるやつだった。結果、よくわからんという。Mさんは「帰りたくないな~。帰りたくないな~」と最後までごねていたが、早目に帰らせた。のちほどMさんからメールが来た。二人でよく話し合ったそうで、なんとかわかりあえたそうだ。よかった。ただ、「家にいて用がないときは絶対に話しかけないで」という条件で話がまとまったらしい。「絶対に話しかけないで」の状態は、まとまったというのか。夫婦は謎。どうぞお幸せに。