玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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高木さん

▼腰の辺り、背骨が詰まっているような妙な違和感がある。誰かに思いっきり引っ張ってもらったら、すっきりしそう。私が鉄棒に両手でつかまっているので、誰か私の両足を持ってグーっと引っ張ってほしい。しかし、これは現実的に難しいのではないか。公園でおっさんが鉄棒に必死でしがみついて、もう一人が足を引っ張っている図は異様だ。どうしましたか、となる。歯医者に行くのが嫌で抵抗していると思ってくれればいいが、下手すれば通報もありうる。

 

私にカルロス・ゴーンほどの財力があれば傾いた町工場を買収するのに。そして頭を万力で固定してもらい、両足をロープで縛って車に繋いで引っ張ってもらう。しかし、これはこれで難しいような。ドライバーがうっかり者で、ちょっとアクセルを踏み込みすぎたら首から下がちぎれる。だいたいなんだよ、町工場を買収するって。現実的には、ぶら下がり懸垂機ではないか。

 

 

子供の頃に友人の家にあったぶら下がり健康機と同じなのかな。一回だけやらせてもらって、後はもう見向きもしないという。これにぶら下がっていれば気持ち良さそう。しかもちゃんと使えば懸垂力も付くし、飽きて挫折してもハンガーになる。買おうかなあ。

 

 

 

▼中日ドラゴンズの名二塁手だった高木守道さんが亡くなった。私は高木さんの現役時代は見たことがなく、監督時代しか知らない。父から現役のときの話を聞くばかりだったが、かなり守備が上手かったらしい。成績をみると二塁手の中では長打力もあるし、盗塁数も多い。二千本安打達成者でもある。

 

監督としてはさておき、解説者としての高木さんは穏やかなおじいちゃんという感じだった。どの選手も孫のように見ているような穏やかさがあった。だが、二塁の守備になると話は別。二塁手がどんなすばらしい守備をしようと、アナウンサーが「見事なファインプレー!」と絶叫しようと「普通のプレーですね」と冷たい。まだ、自分が一番と思っている感じがあって微笑ましい。現役引退して何十年もたつけれど、まだ張り合っているのかという。違うポジションの選手がいいプレーをするとあっさり褒めるけど。こういう人こそ「生涯現役」というのかもしれない。

 

高木さんというと有名なのが杉浦監督との話。普通の選手なら追いつけないゴロに追いついたものの、捕球はできなかった。それを見たベンチの杉浦監督から「何をやっているんだ!」と罵声を浴びせられる。頭にきた高木さんはチェンジになってベンチに戻ったとき、そのまま合宿所に帰ってしまったという。だが、元から無口のため、誰も高木さんが帰ったことに気づかず、守備についたときセカンドに誰もいないので騒ぎになったとか。それほど自分の守備に誇りと自信を持っていたのだろう。しかし、試合中に帰るってすごいけど。また一人、職人気質の選手が逝ってしまった。淋しいことです。

 

 

 

▼Amazonプライムで配信しているドラマ『MR.ROBOT』を観ている。ハッカーが主役のドラマで面白い。変な管理画面もないのがいい。

 

映画やドラマでハッカーから攻撃を受けたとき、いつも気になるところがあった。テロリストがウイルスや変なプログラムを仕込んだとき、爆発までの時間が画面に大きくカウントダウンされたり、どくろマークが出たりするものもある。普通は攻撃側は何も出さない。出たらバレるし、作る意味がない。恐怖感を与えるために作っているのかもしれないけど、だいたい防がれるし。何もないと見た目が弱いし、わかりやすくするためかもしれないが、毎回、その管理画面は誰が作ってるのかと思ってしまう。