玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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原初の喜び

▼嵐の二宮和也さんが結婚。怒り狂うファンを見る。かわいさ余って憎さ百倍というのは、こういう光景から出た言葉だったのか。江戸時代にも、贔屓の役者が結婚して怒り狂う町娘などいたのだろうか。それはそれで観てみたい気もする。

 

 

 

▼幼稚園児の甥っ子そうちゃんを観察する。初めて炭酸を飲んだらしく「シュワシュワ‥‥」と驚いている。的確な表現。「飲みすぎると骨が溶けるぞ」と脅かしてみたら、なぜか「ニヒヒヒヒ」と嬉しそうに笑うのだった。なぜ。さてはキサマ、変わり者だな。

 

そうちゃんは嬉しいことがあると、幼稚園の運動会の際にならった踊りを踊るという。初めての炭酸を飲んだ際も、奇妙な動きをしていたがアレがそうか。手足の角度もバラバラでグチャグチャ、見苦しく手足をばたつかせている。実に完成度の低い踊り。だけど表情には喜びが溢れている。

 

縄文時代、私たちがの祖先が狩猟を生活手段としていた頃、猪や鹿をしとめたときにはこうした踊りを踊ったのではないか。いつしか踊りというのは全員が揃っていなければ駄目とか、指先まで完全に抑制された動きが美しいとか、勝手に思い込んでいた。本当にそうだろうか。そうちゃんの不器用な踊りには不思議な躍動感があった。原初の喜びが表現されているように思えた。実に良いものを見た。そうちゃんのお父さんがテレビに運動会の様子をおさめたビデオを繋いでくれた。

 

そこには音楽に合わせて踊る園児たちと、なぜか一人、オリジナルのダンスを踊り狂うそうちゃんの姿が映っていた。リズムも何もない。やりたい放題である。ひょっとして、単なる問題児なのでは。先生たちもちょっと引いている。まあ、でも、楽しそうなのでそれで良し。

 

 

 

▼映画の感想『ファースト・マン』を書きました。デミアン・チャゼル監督らしい緊張感にあふれた作品。初めて月面に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロングを描いています。重苦しいのです。