玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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台風

▼風速60メートル以上の巨大な台風が来ている。京浜河川事務所は多摩川沿いにライブカメラをつけて公開しています。まだ台風が上陸してないのに多摩川が溢れそうになっている。このままだと夕方までもたないんじゃないのかな。携帯に避難勧告のメールが来て恐れおののく。ここは川から遠いので避難はしなくてよいのですが。

 

 

昨日のうちにいろいろ準備はしておいた。今はガトーショコラを食べている。

 

「どうせ僕なんか」が口癖の卑屈くん。台風の備えを何もしていなかったという。スーパーかコンビニで食事を買えばいいやと思っていたら近所は全店休業らしい。水しかないという。人は水で7日間は生きられるし余裕余裕。おばあちゃんがよく言っていたのは「人の苦しみなら何年でも我慢できる」。まさに。おばあちゃん、台風のときに川を見に行くような人だった。「興奮する」とのこと。いや、気持ちわかるんだけど。たまにニュースになるやつである。

 

卑屈くんは「裏の民家に柿が生えている」と言う。まさか、この男、柿泥棒になるのでは。たぶん食べても美味しくないやつで、裏の人もほっといていると思うんだけど。どこでもある程度は備えをしているだろうから、千円ぐらい持っていけば普通の食べ物を分けてもらえるんじゃない? と言ってみたが「声を掛けるのが嫌なんです」とのこと。泥棒になるのも嫌だから、双眼鏡で裏の柿の木を監視して実がこちら側に落ちるのを今か今かと待っているとか。実が敷地内に落ちても法的には泥棒なんだけど。

 

それが柿泥棒と交わした最後の会話だったのです。と、ならないようにしてほしい。

 

 

 

▼ラグビーワールドカップ、日本対サモア戦を観た。ルールも何もわからない。あんなに体格いい人ばかりだから一試合に二回ぐらい相手を殴ってもいいのだろうか、というレベル。

 

だけどわからないなりに楽しい。攻めても攻めても押し戻されていたのが、相手のディフェンスの隙をついて一気に進むと面白いですね。ちょっと気になったのがイギリスチームである。イギリスというチームはなく、イギリスの中でイングランド、ウェールズ、スコットランドと3チーム出ている。ずるい。おまえら、一家族ではないのか。アイルランドも出ている。

 

 

アイルランドは左側の島ですが、アイルランド北部だけはイギリス領でこれもまた扱いが難しいところ。アイルランド北部(イギリス領)の選手って、ラグビーのときだけ左側の大きいアイルランド代表として出るのかな、それともイギリスから出るのか。イギリスから出る場合はイングランド、スコットランド、ウェールズのどこに属するのだろうか。謎。

 

少し前に明治維新から150年ということで各地で記念行事が行われていた。明治新政府は薩摩(鹿児島)と長州(山口)が中心となって作ったものだから、当時、敵方だった会津(福島)では「明治維新150年」という祝い方をせず「戊辰戦争150年」という垂れ幕を出していた。明治政府は認めないという熱い主張。まだ引きずるかという。現地の人にとっては譲れないものがあるのかもしれない。

 

同様にイングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドという区分も、イギリス人にとっては譲れないものがあるのだろうなあ。テレビを観ていたら、スポーツバーにいたウェールズファンの男性が日本人に「一緒にイングランドを倒そう!」と言っていた。おまえ、イギリスちゃうんかいと思いましたが、いろいろあるのだろう。ウェールズはあくまでウェールズでイングランドとは別。そういうしがらみがわかると、より一層楽しめそう。