玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

名言

▼台風の影響で千葉ではまだ断水や停電が続いている。大変ですね。送電線の鉄塔が倒れたり、倒木の処理に手間取ってなかなか復旧も進まない様子。知人から「夜中に電気が復旧した」と連絡があった。ということは、東京電力の人は24時間体制で作業をしているのだろう。ありがたいこと。当たり前の影には誰かの努力がある。

 

 

 

▼靴の中敷きをかじったことを叱られて、とぼける犬。

これぐらい正直でありたい。

 

 

 

▼古いものをいくつか読む。芥川龍之介の短編小説に『或阿呆の一生』というものがある。芥川の死後に見つかったもので自伝的な小説と言われている。その中で妻が黄水仙を買ってくるくだりがある。おばは、新婚早々、そのような無駄遣いをしてはいけないから妻を注意しろと主人公に言う。主人公はおばに言われるがまま、妻を注意する。妻は彼と、おばにも詫びた。「彼のために買ってきた黄水仙を前に」みたいなことが書いてあるのだ。

 

黄水仙を買ってきた妻に「綺麗だね」と言うこともできず、おばの言うがままに妻を叱り、良心の呵責を抱えている。そりゃあね、芥川、病みますよ。脆弱で繊細すぎる。「綺麗な花だねえ。わっはっは! まあ、おばさんもそんな怒らんでください」と簡単に笑い飛ばせたら文学にならないし、繊細な文章は書けないかもしれない。長所短所というのは表裏一体で、なんとも言えないところがある。

 

芥川の残した言葉に普遍的なものを感じる。

・世論はつねに私刑である。私刑はつねに娯楽である。

・どうせ生きているからには、苦しいのは当たり前だと思え。

・われわれを恋愛から救うものは理性よりもむしろ多忙である。

・人生は地獄よりも地獄的である。

 

しかし、悲壮感が漂う。常に追い詰められているようで息苦しい。フランスの哲学者ヴォルテールなどは、のん気な感じがいい。有名なものは「私はあなたの意見には反対だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」がある。しかし、こういった名言もいいが、ちょっと外したものに味がある。

 

・私は幸福であろうと決意した。なぜなら健康によいからだ。

 

ちょっとバカみたいではないか。こののん気さがいい。バカには人の心を和ませる救いがある。

 

 

 

▼『進撃の巨人』が無料で読み放題。9/18まで。以前、読んで5,6巻でとまっていたのですが、これを機に読もうかなあ。でも、あと5日だしなあ。26巻だし、根性を出せば読めるような。いや、でも‥‥などと。

 

 

 

▼映画の感想『フレンチアルプスで起きたこと』を書きました。雪崩を前に、ビビッた夫が家族をおいて逃げ出した話です。で、そのことを延々、奥さんに責められるという。カップルで観て、あれやこれや言うと楽しい映画かも。