玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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記者会見

▼宮迫さん、田村亮さん、吉本興業岡本社長の記者会見を見る。長いので全部は見てません。

 

やっぱり苦手だなあ、ああいう空気、というのと、長ーいという雑な感想しかないのだけど。そもそも特に会見をする必要性があったのかというと、ないとしか思えないのだ。闇営業(直営業)というのは、芸人が吉本興業を通さずに依頼主から直接お金をもらうことで、それは吉本興業内部の問題でしかない。社会的にどうこうという話でもない。脱税という問題が出ますけども、それは税務署と芸人の間のことで、すでに修正申告は済ましているということで、これも今は問題ではない。

 

反社会的勢力との繋がりがあったかというと、宮迫さんも亮さんも反社との繋がりはなく、相手が反社と知らなかったと回答している。知らなかったという主張が正しいのなら、なんら処分にあたらないように思うのだけど。詐欺被害者への謝罪を繰り返しており、その部分も意味がわかなかった。宮迫さんや亮さんが詐欺を働いたわけではない。

 

ラーメン屋をやっていてお客さんが反社だと後で知ったとして料金を返す必要とか、ラーメン代を寄附をする必要、ラーメン屋を辞める必要があるのかという。知らなかったんだから仕方ない。どうも過剰なまでの反省、演技にしか見えない。その過剰さが現代では受け入れられやすいし、支持を得やすいというのもわかるのだけど、そこまで反省するのは無茶苦茶に見える。これは吉本興業の会見でも同様だったけど、その過剰な反省が世間に支持されるという計算に思える。もちろん本気で反省しているなら、それはすばらしいことだし、高いモラルなんだけども。そんなナイーブかなあ。

 

宮迫さんや亮さんの会見は見事で、特に亮さんの無垢さというのでしょうか、際立ってましたね。ちょっと好きになってしまった。なぜ計算高い淳さんが亮さんと組んでいるのかよくわからなかったけれど、純真さみたいなところに惹かれたのかなあ。

宮迫さんはどこまで本気なのかよくわからなかった。役を設定して役になりきってその場を凌ごうというふうにも見えたし、また本気で反省しているようにも映った。ただ、岡本社長のパワハラを告発し、会社を刺しにきている強い意志は感じた。そんな中で、会社自体の批判を一切行わないことが、実にうまい。あれで会社批判をしていたら、また違った流れになったのだろうけども、会社を批判しないことでパワハラ被害者という面が強く打ち出せたように感じた。

 

口裏を合わせたことを保身のためと潔く認めたのも良かった。宮迫さんが間を取って話す姿が、本気か演技かよくわからなくて、なんだか不思議なおかしみがあって、悲しくはあるけれど笑いそうになってしまった。泣くゴリラという。一方、亮さんのほうは本気に見えるんですよね。演技だったらすごいけども。

 

岡本社長の会見はグダグダでひどいものだった。あれほどひどい会見というのは今まで見たことがない。質疑応答は入念に準備しているはずですが、あれほどグダグダになってしまうのかという。ただ、かわいそうな気もする。質問される側というのは、本当に不利でよっぽど慣れているとか頭の回転のいい人でないと、グダグダになってしまうんですよね。難しいのは、質問者の瑕疵を責めることができない点で、それをやってしまうとますます悪役になってしまうという。

 

記者の方がなんとか社長から辞任という言葉を引き出そうとしているのが傲慢に映る。個人的には辞任していいと考えていても、組織が大きいとそう簡単に辞任と言えなくなる。いろいろ背負ってしまっているとねえ。記者はガバナンスとかコンプライアンスとか言いながら、放送という圧力を使って辞任という言葉を引き出そうとすることがハラスメントになるのでは。社長の人事は本人の意志か、取締役会、株主によって決定されるもので、記者が記者会見で辞任を迫るのはどういう権限と手続きによるものかがわからない。グダグダ会見が社長の任に堪えないというのはもっともだけど、会見だけが社長の資質でも業務でもないわけだから。表には見えなくても、社長のいい面だってあるだろう。

 

芸人への支払いが300円(出だしの頃)ぐらいというのもちょっと笑ってしまった。たしかにひどい。でも、だから闇営業をせざるを得ないというのは別な話にも思えるのだ。そもそも芸人は人権がない世界に思える。好んで一攫千金の世界に入ってくる。そこで家族を養えないんです、と言われても、じゃあ辞めたら? という。社会では、企業で適性がなければクビになってしまう。芸人だけが30歳になっても40歳になっても続けられて、それで家族が養えないというのは何か違う気がするのだけど。面白いのは40歳を超えてから急に売れる人だって出てくることで、野球選手などはどんなになりたいと思っても年齢が行けばあきらめざるをえない。だからバイトで食いつないだり、先輩にご馳走になったり、なんとか売れるまで、と考えるのだろうけど。特異な能力を必要とし、大金が稼げる芸人に最低賃金を保障すべきかというのは、私にはわからない。吉本はデビューなどもしやすい環境だろうし。なんだかね、ホームランも三振もある、そういう世界だと思っていたから。

 

しかし、大の大人3人が泣くというのを見るのは珍しい。なかなか泣かんからねえ。芸人の一生や会社の行く末を左右する会見ですが、記者会見自体がショーになっている気さえする。この問題って、何か具体的に被害者が存在するかというとどこにもいないような。契約解除になった宮迫さんだとか、謹慎になった芸人の方々は被害者と言えるかもしれないけど。それと吉本内部のパワハラ体質が明るみに出たことは良かったように思える。会見を開く意味はやはり感じないものの、宮迫さん、亮さんにとってはあり、会社にとっては大きなマイナスになってしまった。ただ、ショーとして観た分には面白く、意味があったとも言えるのかな。

 

大掛かりなショーをさも大事なことのように、ああでもないこうでもない、と言い合う状況が世間にあって、じゃあ世間の人間が何か迷惑を受けたかというと一つも迷惑はかかってない。ただショーとして楽しんでいるようにしか見えない。私も含めてだけど。人の一生を左右する問題を娯楽としてしか見られない、狂った時代に生きているのを感じる。

 

 

 

▼映画の感想『ある戦争』を書きました。部隊を守ろうとしたら戦争犯罪として追及された話。どうすりゃいいんかい、という。