玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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老害

南海キャンディーズの山ちゃんが女優の蒼井優さんと結婚というニュースを見る。映画『フラガール』で相方のしずちゃん蒼井優さんと友達になり、結果的にしずちゃんが二人を引き合わせることになったらしい。「『フラガール』のときは、しずちゃん一人だけ仕事が入り、あの頃は死ぬほどコンビ仲が悪かった」と山ちゃんはラジオでよく言っていた。それがねえ、こうなるのだから。何がどう転ぶのかなんてわからない。人の縁とは不思議なもの。

 

 

 

老害という言葉を4、5年前から聞くようになった。いつから使われているのか検索してみると『老害の人 老益の人』(高瀬広居)という本が2003年11月に出版されている。見た限りこの本が一番古い。今から16年前にはあった言葉なんですね。

 

不思議だなと思うのは、なぜ今までこういった言葉がなかったのだろうということ。新しい言葉ができるときは、人々の中に名状しがたい感情が渦巻いていて、その感情にピタリとはまる言葉を誰かが言ったとき、その言葉が流行するのではないか。時代の空気が言葉を待ち望んでいるような。

 

嫌いな言葉だけど最近は老人の危険運転などを批難するとき、ネットで見かけることが多くなった。社会がより能力主義的になっているのを感じるし、それが言葉の発生にも関連しているように思える。能力だけでみれば老人や幼児は成人に比べて劣っている。だけどいつかは自分も老いるわけで老害と呼ばれる日がくるかもしれない。また、一人だけで大きくなる子供もいないわけで、みな失敗を繰り返し、周りに迷惑をかけて成長してくる。電車内で泣きわめく子供がいても、それはかつての自分の姿と見ることができる。でも、そういう考えは一般的ではないのかな。現時点での自分の姿だけを見て、自分はああいうふうにはならないと線引きをしてしまうから叩けるのかもしれないが、その姿が未来の自分の姿、過去の自分の姿だったかもしれないとは思い至らない。

 

そんなことを思っていたら、部長が無茶苦茶な納期を設定してきた。これだから老害はいかんよ。粛清せねば。

 

 

 

▼映画の感想『アトミック・ブロンド』を書きました。冷戦中のドイツが舞台のスパイ映画。シャーリーズ・セロンのアクションがすばらしい。

 

ドラマ『エクスパンス ~巨獣めざめる~』をシーズン3まで観終わった。シーズン1は各勢力や人間関係の説明に終始しているせいか、少しわかりにくいんですね。これねえ、本当によくできていて面白いのでシーズン1で見切ってしまうのはもったいない。SFとしても政治ドラマとしても見応えがある。出色の出来。