玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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日本語

▼甥の3歳児そうちゃん来襲。少しだけ喋れるようになった。

 

「しゅんくん(私のこと)にプレゼント」と紙のお面を渡された。私がそれを付けると「オニー! オニー! 」と言いながら豆をぶつけてきた。プレゼントとは何か。まだ日本語がよくわかってないのでは。

 

そうちゃんは「ハイパーパンチ!」と言いながら肩の辺りを叩いてくる。けっこう痛いときもある。こちらが痛がると「ハイパーよしよし」と言いながら、自分が叩いたところをさすってくれる。「『ハイパーよしよし』をするなら最初から『ハイパーパンチ』をしなきゃいいんじゃないの?」と言ったら無の表情になった。黒目が大きくなってまさにキョトンとした顔。何を言ってるの? という。

 

日本語が通じるまであと3年ぐらいかかりそ。

 

 

 

▼ドローンによる新年の演出。

中国は2,3年前からドローンによる演出をしていますが年々技術が上がっているような。生で観てみたいなあ。

 

 

 

▼男道(清原和博)

顔面が濃すぎる。ということで元西武、巨人、オリックスの清原さんの著書「男道」。有名人の書いたものはゴーストライターが多いとよくきく。この本もゴーストライターが書いていると思います。なにせ文章が上手すぎる。野球に相当詳しいスポーツライターでないと書けない内容。ゴーストにもいろいろあって本人が内容をまったく知らないものや、本人から綿密な取材をしたうえでの聞き書きもある。この本は後者だと思います。

 

覚醒剤服用事件の前から清原さんにはあまりいいイメージがなかった。闘志を前面に出すというより、他の選手を恫喝するような印象があった。自分に酔っている感じもする。「男道」というタイトルからしてそうだし、本書の冒頭では映画『ラスト サムライ』のセリフが引用されている。「彼がどんな風に死んだのかを聞かせてくれ」「いえ、私は彼がどう生きたかをお話ししましょう」。もう、香ばしさがプンプン漂うではないか。これは読まねばなるまいと思いました。

 

冷やかし半分どころか、冷やかし95%ぐらいで読んだのですが‥‥最終的には「ええやないか‥‥キヨ」となってました。ちょっと清原さんのことが好きになってしまった。野球好きの方にはお薦めです。ご両親のこと、PL学園でのKKコンビ、ドラフト騒動、桑田への想い、ケガのリハビリなど丁寧に書かれています。特にホームランへのこだわりは、なるほどと思わされた。

 

ホームランは引っ張ってフェンスギリギリ95メートルの打球でもホームランだし、バックスクリーンに直撃する140メートルのホームランでも同じ1点しか入らない。清原さんは周りをあっと言わせるような豪快なホームランを目指していたんですね。だから、落合さんから筋トレのしすぎで、上半身に筋肉をつけすぎているというアドバイスを受けても素直に聞けなかった。当時から、なんであんなに筋肉をつけるのだろうとは思っていたのだけど。体重の増加が膝のケガの原因になったかもしれない。それでも豪快なホームランにこだわった。それはそれで一つの生き方なのかなと思います。

 

それとドラフト騒動について書いてあるのも良かった。当時、桑田さんはプロ入りを目指さず早稲田大学進学を宣言していた。プロを目指す選手は野球部に退部届を出すのだけど桑田さんは出していなかった。それでプロのスカウトたちは桑田さんの指名を諦めていたところ、巨人が一本釣りで釣り上げてしまったという。巨人入りを熱望していた清原は裏切られてしまう。桑田からはなんの説明もなかった。これねえ、どう考えても巨人と桑田の間に密約があったと考えるのが自然に思える。清原にとってはこの裏切りともいえる行為をずっと許せないんですよねえ。

 

西武で日本シリーズに出て、巨人の桑田と対決したときも清原は何か違和感があると感じている。やがて巨人に自身が移籍することになり、ピッチャーマウンドで投げる桑田の背中をファーストから見詰めたときPL時代の感覚がフラッシュバックして違和感の正体に気づく。桑田の背中を見ながら守る。自分の位置はここなんだ、これがほんとなんだと自覚する。ここねえ、本当に涙がねえ。

 

あれだけ周囲への感謝を述べながら覚醒剤に手を出してしまったのが惜しい。自分と出会う人を敵味方に分けすぎるようなところもあるように見える。覚醒剤を克服して指導者としてユニフォームを着る姿を見てみたい。だまされたと思って読んでみてほしい本です。とても良かった。

 

 

 

▼映画の感想「パトリオット・デイ」を書きました。ボストンマラソンでの爆弾テロ事件を映画化したもの。ボストンて日本の下町みたいな感じなのかな。