玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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恵方巻

▼以前、お世話になっていた会社へ。会長がいた。八十歳を超え、まだまだ壮健。暴れまわっている。死ぬことを忘れてないか。心配。

 

恵方巻が大量廃棄されて問題になっていたというニュースを観る。会長は、大量廃棄についてもそうだが毎年の恵方を向いて食べるということにもお怒り。「適当なことばかり言いやがって。テレビでやってたからって真似してやる方もどうかしてる」と言う。人間八十歳を超えたら「くだらないけど、まあそれぐらいいいじゃないか」となるかと思えば、まるでならない。

 

より一層尖ってきた。永遠の中二心を持っていらっしゃる。会長は二度目の反抗期に突入。前からこうだった気もするけど。

 

 

 

▼会長もそうだが、最近のお年寄りは本当に元気だ。お年寄りという感じがしない。殴りあったら負ける。ハンデとしてメリケンサックぐらい欲しい。去年、山口県で行方不明の男の子を見つけた尾畑春夫さんのニュースを見たけどとても79歳とは思えない。練馬区の中学校での講演後、大分までの1320キロを歩いて帰るというから驚く(スポニチ)。しかも全行程、野宿という。野宿て。真冬だからなあ、あまり無理なことをとも思うけど私の常識などとはかけ離れたところで生きている人なのだろう。

 

講演を依頼した中学校の校長もなかなかの人ですよね。「電話や手紙での依頼を100回ほど重ねた熱意が」って美談のように書いてあるが、熱意というか下手すりゃ通報されてるレベルではないか。そこらへんのストーカーではとてもかなわない熱意。奇人しか登場しないニュースである。

 

尾畑さんの行動はすばらしい。ボランティアの謝礼も拒否するし、マスコミには極力登場しないようにしているみたいだし、非の打ちどころがないのだけど、それでも何か不安に感じてしまうところがある。利他的であるけれど、なんだろう、何か怖いのだ。あまりにも利他的すぎて、考えがわからないからだろうか。

 

去年、ボランティアで行方不明の男の子を見つけたときも、普通の人ならば各地から殺到する講演を受けたり、マスコミの寵児となってテレビや雑誌に出たりするだろう。そうすれば何百万何千万というお金が入ってくることもあるわけで、そのお金を寄附すれば尾畑さんが直接ボランティアをやるよりも効率的にボランティアができるだろう。でも、そういうのは嫌なんでしょうね。ボランティアなのだから、尾畑さんが好きな方法でやればよくて、直接現地に赴いて顔が見える手助けをしたいという。表舞台に出ることが嫌いな方なのだろうけど、やはりこういう人こそ何を考えているか聞いてみたいもの。

 

だからかなあ、金の亡者みたいな人を見ると安心するところがある。みょうに心が和む。「あ、俗物っぽくていいなあ、わかるわかる」という。べつに具体名を挙げんけど。

 

 

 

▼知り合いの方が癌と診断され、別の病院で検査を受けたら違ったとのこと。本当に良かった。うっかりすればまったく正常な臓器を摘出されていたという。こういった医療ミスは案外あるのかもしれない。重大な疾患の場合、念のため別の病院でも診察を受けてみるということが必要かもしれないですね。