玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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小吉

▼おみくじ(愛宕神社

以前いた会社では従業員全員で年始にお祓いに行くのが慣例になっていた。人によってはおみくじを引く。Kさんという女性社員はそこで大凶を引いた。巫女さんに「大凶って、おみくじ全体の何%ですか?」と必死の形相で詰め寄っていたのを思い出す。「いや、こんなのただの占いですから‥‥」という巫女さんに「大まかでいいんで、確率でいうと、10本中何本が大凶? けっこう出ます? 言える範囲でいいんで!」と食い下がり、恐怖した巫女さんを「ひっ‥‥ご、ごめんなさい」と謝らせてしまうという。今となってはいい思い出‥‥か? 本当か?

 

 

 

▼北海道の新千歳空港は飛行機が吹雪で飛ばず大変だった様子。一緒に仕事をしているK君は北海道観光に行っていたが、帰って来られず足止めを食らっていた。彼は空港に詰めているのだが、なかなかチケットが取れないとこぼしていた。正直なところせっかく北海道にいるのだから観光しておけばいいのにと思う。K君が空港で一日缶詰になっていようが、すすき野で遊びまわろうが、うに丼を食べまくろうが、こちらとしては同じである。まだ今週は仕事始めであるし、いなくても困らないんですよね。成人の日が終わってからようやく仕事が始まるような。おとそ気分で仕事をしておる。

 

やんわりとそんなことを伝えたら、何をどう勘違いしたのか、社内の多くの人が目を通すアドレスにメールしてきた。「しゅんさん(私のこと)に許可を頂いたので、ここは割り切って思いきり遊んできたいと思います!」と書いてあった。いやいやいや、バカ。みんな一応は仕事してるではないか。あなたが遊ぶのは、それはかまわないんですよ。でも、嘘でいいから空港に詰めてますと公的には言ってほしかったという。わかりませんか、そういうの。なぜ盛大に報告してしまうのか。

 

新年早々、呼び出しを食らう。部長は本気で注意しようというわけではなく、メールが回ったので立場上言わねばならず、私は私で「なるべく早く仕事に復帰するよう伝えましたが、一部誤解を招くところがあり適当ではなかったように思います」という回答をせざるを得なかった。その場にいる人たちも真面目な顔をしていたが、みな、やれやれという感じ。5分で解散。

 

その後にまたK君からメールが来ていた。私が呼び出されたというのを誰かが知らせたのだろう。「しゅんさん、今回は僕をかばってくれたそうですみません!」という内容。

 

違うわ。おまえ、本当にわかってないな。恐ろしい男よ。そんなK君のお土産は、白い恋人でもマルセイバターサンドでもなく、チップスター北海道ほたて醤油味というものだった。

 

美味しいよね、これ。地元のスーパーにあった。そんで昨日、食べたんだわ。でも、ありがとう。

 

小吉から始まる2019年。今年も私は地味だ。

 

 

▼映画の感想「パッセンジャー」を書きました。宇宙におひとり様。宇宙の映像がきれいで楽しめました。