玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ハワイからの年賀状

▼チーズの味噌漬けを食べる。今一つだと思ってちょっとほっといたわけですが、しばらく経つと味が染みて美味しくなっていた。時間が経つと味が変わってくるというのが面白い。親戚からもらったトマトがあるので鯖缶を入れてサバトマトリゾットを作る。寒い日に食べると格別。

 

 

 

▼今年の流行語大賞、現段階では「平成最後の」だと思う。使われて微妙にイラっとくるところも、流行語の条件を満たしているような。

 

 

 

▼友人A子から年賀状が届いた。「今年はみんなでハワイにいます」と書かれている。男前のダンナさん、かわいい男の子、A子の3人が浜辺に並び、幸せそうに微笑んでいる。裕福な家庭のお正月。何が怖いって、A子は独身で夫も子供もいない。ネット上に落ちていた幸せな家族の写真を探し、フォトショップで奥さんの部分を消去し、自分の画像に差し替えたのだろう。狂気の女。満面の笑みが怖い。年賀状を見た瞬間にのけぞった。あいつ、毎年パワーアップしているな。

 

「見た見た~? 私の年賀状」というメールが来たがかける言葉が見つからない。どこか良い病院を探さなければ。もはや一刻の猶予もない。2019年、波乱を感じさせる始まり。

 

 

 

▼正月、寒い日が続きます。ここは心が温かくなる話でも書いてみたいところ。

 

以前、朝礼で私がビンタされた話を書いたが、似たような話。私の高校時代はまだギリギリ、体罰が残っていたように思う。その日は朝礼で体育館に集まったのだが生徒の集まりが悪く、まだ来てない生徒も多かった。体育教師は持っている竹刀で自分の脛を何度も叩いていた。この頃の体育教師は当たり前に竹刀を持っていた。今、考えると竹刀で威圧というのはちょっとどうかと思うけど、当時は何も思わなかった。

 

「おまえたちは本当に毎回毎回、集まりが悪くて‥‥」と、体育教師が説教を始めた。私の前に並んでいた友人Yが「来てる奴に言ってもしょうがないじゃん。なあ?」と言った。たしかにYは正しい。来ていない生徒が問題なのに、既に来ている生徒に言ってもどうしようもない。Yの言葉が耳に入ったのか、体育教師はつかつかとYの前まで来るといきなりビンタしたのだ。

 

私はもうおかしくておかしくて、ダッヒャッヒャッヒャ! と笑いましたね。いやあ、もう100%正しいことを言って叩かれる理不尽さがたまらない。これだから学校は楽しい。暴力教師は退屈な学校生活のスパイスになるなあ。その一日、Yの呆気にとられた顔を思い出しては笑っていた。Yはずっと不満そうで「俺、悪くねぇよなあ?」と言っていて、それもおかしかった。

 

読み返してみてわかったが、全然心温まらんな、これ。

 

 

 

▼映画の感想「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」を書きました。ジェイク・ギレンホールが出ています。この人の出ている作品はいつもちょっと変わっていて面白いですね。今回は、妻を亡くしたのに悲しめない男です。