玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

クリスマスケーキ

▼年賀状の印刷係として生きていく季節。めんどいはめんどいが、いろんなデザインを見るのが楽しくもある。

 

前年販売数28億枚だったが今年は24億枚らしい。豪快に減りましたね。まだまだ減るだろう。年賀状は、70代以上の人だけで続く文化になってしまうかもしれない。年賀状という文化をなくしてはならない。この火を絶やしてはならない。などと、前年枚数2枚の私が。また思ってもないことを書いてしまった。

 

 

 

▼昨日はクリスマスだった。私が生まれた頃、父親は事業に失敗して会社を畳んだ。急に姿を消してしまい、二日ぐらい連絡がつかなかったが、ケロッとした顔で戻ってきたらしい。母の話によれば浮気か自殺を考えたかどっちかだろうけど、大変な時期だったし気持ちもわかるからどうでもいいとのこと。豪快。

 

そんなわけで子供の頃、家にお金がなかったらしい。あまりおもちゃなどを買ってもらった覚えもない。特にそれで悲しいとか困ったということもないのだけど。なければないなりに、という私の性格はあの頃に形成されたのかもしれない。父親は食品業界に就職したのでクリスマスの時期は取引先から押し付けられたクリスマスケーキを持って帰ってくる。

 

親にしてみれば負担でしかなかっただろうが子供の私には嬉しいものだった。ホールケーキをいつも2,3個持って帰ってきてくれて、朝もケーキを食べられるのが嬉しかった。その週はずっとケーキなのだ。クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントなどの記憶もないし、何かをせがんだ覚えもないけれどそのケーキだけが年一回の楽しみだった。

 

クリスマスケーキのことで一度、父親を怒らせてしまったことがある。年に一度の楽しみにしていたクリスマスケーキだったが、形が崩れてボロボロになってしまっていた。デコレーションのクリームなどが壁面にへばりついてマジパンで作ったサンタの人形も折れていた。「こんなのクリスマスケーキじゃない」とグズっていたら「だったら食べなくていい!」と怒鳴られた。私はあまり我がままを言う子供ではなかったと思うが、それでも楽しみだったケーキがこんな滅茶苦茶なのは許せなかったのだ。

 

あれから二十年以上経って、私もホールケーキを持って帰ったことがある。中央線のラッシュはひどいもので、ケーキを網棚に置けなかったときには押されてグチャグチャになってしまうこともあるだろう。父は毎年そんな思いをしてケーキを運んでくれたんだなとそのときになって初めて気づいた。貧しくて子供に何も買ってやれないことに情けなさを感じていたかもしれない。子供だから想像力がなくて気づけなかった、というのは言い訳かもしれないが。父は病気で亡くなってしまい、父の苦労が少しだけわかったときにはもうありがとうと伝えることはできなかった。

 

 

 

▼格闘技の有段者が暴力を振るうと罪が重くなるが、同様に頭の良い人間がその頭脳を悪用して罪を犯した場合、罪が重くなってよいのでは? という話を聞く。なるほど。そういう考えもありかもしれない。

 

以前にちょっと感心したのは、国会図書館納本制度を悪用した犯罪だった。国会図書館は出版物を収集しており、国会図書館に出版社が納本すると価格の半額と送料が支払われる。この仕組みを悪用し、何万円という高額な本(1冊しか作らない)を作って国会図書館に納めていたというもの。税金をだましとってはいるものの、誰かを直接傷つけたわけではない。まさに犯罪としての理想形、私の目指す形はここにあったか(問題のある文章)。

 

間抜けな事件、珍しいニュースを集めたサイトを作りたいと思っていたけど時間がなかった。うーむ、ここら辺で一つがんばろうかしら。

 

 

 

▼映画の感想「弱虫ペダル」「怒り」を書きました。「弱虫ペダル」は、やめられないとまらないの熱い自転車アニメ。この勝負が終わったら、と思っているうちにずるずる観続けてしまう。シーズン2までが一区切り(インターハイ終了)になっています。シーズン3も観終えて今はシーズン4に入りましたが、世代交代があったことと、キャラの異様さが際立ってきたせいかシーズン3からあんまり好きじゃないのだった。正統派の自転車アニメにしてほしかった‥‥。でも観たりして。

 

「怒り」は、人を信じることをテーマにしたサスペンス。別に信じなくてもよくない? などと思ってしまった。人として問題ありなのか。

 

 

 

▼ゲームの感想「Subnautica(サブノーチカ)その2、その3」を書きました。海洋サバイバルゲーム、サブノーチカ。楽し。