玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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怒り芸

▼大トロ、中トロはあるのに小トロはない。なぜだろう。検索すればすぐ答えは出てくるだろう。しないけど。

 

 

▼家の本棚に佐藤愛子のエッセイがあったので読んでみた。65歳の時点でまだ怒っている。すごい。以前に書いたけれど、怒るには才能がいると思う。怒りそのものを観客や読者に提出するにはアクが強すぎるから、それを笑えるところまで持っていかなければならない。これが芸なのだと思う。

 

怒り方が上手な芸人は多いけれど、歳をとると少し難しいのではないかと思う。今までは本当に腹を立てていたことでも、お金ができたり、社会的に認められたり、精神的に余裕ができることで「まあいいか」と許せてしまう。この安定が問題に思える。毛沢東は、人が何かを成し遂げるための3つの条件として「若いこと、貧しいこと、無名であること」を挙げた。これは怒りにも共通しているように思う。

 

これらが満たされてしまった40代以上の芸人というのは司会にでもならないと活動継続が難しいのではないか。余計なお世話ですけど。本当はたいして腹を立ててもいないのにフリで怒り続けるというのもつらいわけで。そんなことを思いながら、せっかくなので佐藤愛子の「九十歳。何がめでたい」というエッセイも読む。

 

 

うーん、90歳になってもちゃんと怒り続けていて立派。人はいくつになっても怒れるのだろう。というか、文章を書き続けていること自体がすごいですよ。いや、そもそも生きているのがすごい。書くのをやめたらちょっと鬱病っぽくなったそうで、人は一生何かをし続けるのがいいのかもしれないですね。私も日記やブログを10年以上書いている。とはいえねえ、もうちょっと建設的に時間を使ったらと思うんですけど。渋谷のハロウィンで軽トラひっくり返したりとか。

 

とにかく、佐藤愛子はすごいという話。

 

 

 

▼映画の感想「マグニフィセント・セブン」「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」を書きました。「マグニフィセント・セブン」は「荒野の七人」をリメイクした勧善懲悪西部劇。何も考えずに楽しめます。「マイケル・ムーア」はとても面白いドキュメンタリーでした。働き方、教育、刑務所、死刑廃止問題などさまざまなテーマを取りあげています。お薦めです。