玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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歯医者

▼以前、お世話になっていた会社へ。細長い階段の真ん中で寝てる白黒の鉢割れ猫を発見。手足をピーンと伸ばし、階段の主となっている。「もうちょっと端で寝ないと、踏まれるぞ」と、どかそうとしたら「ギニャー!」と引っ掻かれた。猫に引っ掻かれるとミミズばれのようになる。痛し。いつか三味線の皮にする。

 

鉢割れ猫を乗り越えた先には会長がいた。もう八十いくつだろうか。「まだ生きてるんですね」と言うと、ケタケタ笑っていた。雑談。会長は入れ歯を作ったが、歯が合わないと嘆いている。歯医者は「コンピューターで作っているから合わないわけがない。我慢してください」と言うらしい。「『合わないわけがない』って、付けられないぐらい痛いんだこっちは!」とお怒りの会長。ごもっとも。

 

コンピューターだなんだと言っても、絶対的なものでもなんでもない。そのコンピューターに積むプログラムを作るのは人間なわけで、必ずどこかに不具合はある。少しずつ改良されてようやっとマシなものになる。そりゃ、本人が痛いってんだから痛いんだろうよ。会長がぼやいてた。「ありゃあ、ダメな歯医者だなあ。頑固で全然こっちの言うこと聞かねぇんだから」。

 

頑固で全然こっちの言うこと聞かない人間が言うんだから、間違いない。

 

 

 

▼映画「冷たい月を抱く女」を観る。1993年のサスペンス映画。不思議な邦題でずっと気になっていた。月は温かいか冷たいかといえば、冷たいだろうし、月を抱けるかどうかといえば抱けないのだけど。原題は「Malice」で「悪意」という意味だから、ずいぶんと攻めましたね。作品を観ていけば、何が「冷たい月」かわかるようにもなっている。いい邦題かもしれない。そして、ニコール・キッドマンの透けるような白い肌が美しい。

 

サスペンス映画としてはごく普通の出来だった。神秘的なタイトルで「どういう映画なのかな」と想像していたほうが楽しかったかもしれない。感心する邦題をつけることは難しい。どうしても改悪のようなものが目立つ。

 

 

そこへいくとアダルト路線はくだらなくていい。「エロム街の悪夢」のキャッチコピー「もっと腰をフレディ」がすばらしい。私の墓に刻んでほしい。

 

 

 

▼映画の感想「」を書きました。1954年のイタリア映画。男女がキャアキャア言う「バチェラー・ジャパン」のあとに「道」て。振り幅が滅茶苦茶。情緒不安定かと思う。

 

あと、最近は殺人オニゴッコ「Dead by Daylight」で遊んでいます。殺される一方である。Steamで週明けまで無料プレイできます。