玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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反抗期

▼北海道で震度7地震。北海道全域で停電。地震から二日目だが電気はまだ全世帯の4割程度しか復旧してないとのこと。大変である。今年は天災の夏だ。

 

昔ならば天災が多ければ元号を変え、遷都したものだった。遷都というわけにはいかないが、偶然来年には改元がある。新元号は何になるのだろう。パッと思い浮かんだのが「懲役」である。年が重なるごとに重苦しさを増していく。「懲役40年」などと聞くと「おお‥‥、もう人生終わりではないか」と思う。思わせてどうする。

 

 

 

▼このサイトのアクセス解析を見てみた。ふだんまったく見ないわけで、もう見方も忘れていたのだけど。昨日、北海道からのアクセスがあったので驚く。よもや電気も供給されない過酷な状況の中で、このサイトを見てくれている人がいたとは。どこか頭がおかしいのではないか。もっと他にやることがあるはず。でも、ありがたい話。そんな奇特な方のために、何か少しでも和む話をお届けしたいところ。

 

心温まる話とかないかなあ‥‥。ないなあ。たまに一緒にご飯を食べるEさんという顧問の方がいる。顧問といっても50歳ぐらいなのだけど。その日はいつもとどこか様子が違う。「何かいい匂いがしますね」と言うと「実は‥‥」と少し照れた様子で教えてくれたのだが、香水をつけているそうだ。理由を訊くと、娘さんが反抗期に突入したとのこと。香水と反抗期がどう関係があるのかと思うが、これは何か揉める話が聞けそうな予感。ワクワクする。

 

なんのことはない。「お父さんは臭いから洗濯物を一緒に洗ってほしくない」と言われてしまったらしい。噂に聞いたことはあるが、そう言われた人を見るのは初めて。世間的には平凡な悩みだけど、本人にしてみればショックなのかもなあ。それで密かに香水を振ってみるというところがEさんのかわいらしいところに思える。「どうかなあ」と言われるので嗅いでみたが確かにいい匂い。おっさん同士がクンクン臭いを嗅いでいるのは相当怪しいが。

 

でも、待てよ、と思う。反抗期というのは程度は違えどだいたいみんな経験するもの。そもそも反抗は避けられないものなんじゃないのかな。反抗そのものが、成長の一つの過程だとすると「臭い」という欠点をクリアしたとしても、今度は違う理由で反抗するのではないか。臭いが反抗の理由ではなく、反抗の理由付けの一つとして臭いがあっただけなのでは。Eさんの臭くない奥さんも、やはり娘さんの反抗期に手を焼いているという。つまり、Eさんがエルメスだのブルガリだの付けて、いい匂いになったところで「急に香水つけだして気持ち悪い」と違う方向から反発するのではないか。

 

だからこれ、香水振ったところで、という話に思える。娘さんに、Eさんが臭いというのは「自分で意識してないかもしれないが反抗の理由付けの一つにすぎず本質ではない。こういった時期はやがて過ぎ去るものである」と言った方がいいのではないか。私がEさんの娘さんだとしたらどう思うだろう。

 

うぜー。わけわかんないこと言い出した。うぜー。と思う。そしてますます反抗する。

 

答えがありません。ほっとこ。

 

 

 

▼停電したら、冷蔵庫開けないとのこと。

普段から保冷剤を入れとくのもいいかもしれませんね。