玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

監視カメラ

▼今日の朝日新聞に、中国の監視カメラによる顔認証技術について載っていた。BS1ではずいぶん前に報道されてたようだけど。警官がかける顔認証サングラスから見た顔が、即座に犯罪者データベースと照合されるという。これによってどれほど検挙率が上がるかはわからないが、なにやら恐ろしい仕組み。誤認逮捕など発生しないだろうか。

 

対して、スウェーデンでは監視カメラを使って法定速度を守らせるよう変わった試みを行っている。日本にもオービスという自動速度取り締まり装置はある。だが、スウェーデンで試験的に導入されたものは、法定速度を守っている車両のナンバープレートを撮影し、自動的に宝くじにエントリーされるというもの。宝くじの賞金は罰金の一部から出ているというのがよくできている。まだ試験的に導入されただけだが、現場の平均速度は22%下がったということで、この試みが定着すると面白そうですねえ。

 

人に何かを守らせる方法は3つある。一つは中国の例のように罰を与えるというやり方、もう一つはスウェーデンのように法を守ることによってご褒美をあげるやり方。太陽と北風のよう。本当にいいのは「それがよくないことだからやらない」という3つ目の考えだろう。この3つ目の考え方で運営されればすばらしいけれど、そうもいかない。普通は罰を与えるやり方しかできない。スウェーデンのやり方が定着すれば、一歩高いステージに上がったように思える。

 

などとねえ、思いながら私が今観ているのは「ザ・ワイヤー」(シーズン1)という犯罪ドラマ。罰ばっかり与えておる。麻薬組織を壊滅させるため地道な捜査を続けていくドラマです。いやあ、もう悪い事しか考えてないという。かなり地味で、最初は観るのが苦痛だったのですが8話ぐらいから急激に面白くなってまいりました。警察も犯罪者もいろいろおるねえ。警察のやり方が必ずしも善と言い切れないのも面白い。

 

一話完結ではなく、一つの事件をずーっと執念深く追っていくんですよね。登場人物の性格の描き方が細かくていいですね。「ゲーム・オブ・スローンズ」を作ったHBOが作っていますがここは実に渋い作品を作りますね。こんな渋いドラマ、よくシーズン5まで続いたなあ。こういった作品が評価されているのが嬉しいところ。

 

 

 

▼知人の職場では、毎月2日と22日は禁煙デーになったという。英語で「2」が白鳥(スワン)の形に似ているから「スワン」と「吸わん」をかけて2日は禁煙。22日は「吸わん吸わん」の日で禁煙。喫煙者にどんどん厳しくなっていく世の中よ。私は吸わないからどっちでもいいのだけど、ちょっとかわいそうな気も。思えば、子供の頃は吸い殻のポイ捨てなど当たり前だったし、みな、平気で道や排水溝に捨てていた。ずいぶん変わったなあ。

 

高モラル化した先はどうなるのだろう。何十年かすれば、酒についても今よりもっと厳しくなりそうだし、肉のような味のタンパク質製品ができれば、動物を殺して食べる肉食も白い目で見られるのではないか。何十年も経たなくても、十年ぐらいでそうなるのかなあ。

 

知人の職場はビルの下からも灰皿が撤去され、わざわざ隣のビルに行って吸っているという。ご苦労なこと。税金払って、白い目で見られて、健康も害するという。本当にいいことがない。前世が猟師か何かで、たくさんの白鳥を殺した罰を受けているのだろうか。