玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

チョコの思い出

▼風邪かしら。大勢の前で発表しなければならないことがあり、咳が出て困った。むせることにより、質問を封じ込めたから結果オーライ。今後、この作戦でいきたい。ゴホゴホ。

 

今、薬についての本を読んでいる。これは有名な話ですが、風邪を治すのに薬を飲む必要はないんですね。風邪薬というのは、咳で眠れなかったり、発熱で体力を消耗しそうなときなど、それらの諸症状の緩和を図る対症療法薬で、ウィルスの増殖を抑えたり、ウィルスを体内から除去するものではない。治すのは自分の体に任せるしかないという。

 

しかしまあ、今年の風邪は長引くなあ。インフルエンザも流行っておるし。そういえば世界でもっとも寒いロシアのオイミャコン村(マイナス71.2度のギネス記録)の住人は、ウィルスが寒さで死滅するから風邪を引かないという。ふーむ、風邪は引かなくても寒くて具合悪くなったりしないのかな。意外と平気なのだろうか。

 

 

 

羽生結弦選手がフィギュアで金メダル。スキーのジャンプ、スノーボード、フィギュアなど全般に言えるが、どんなにすごい技を披露してくれても「たくさん回った!」「すごい飛んだ!」「なんかわからんけどすごい!」の小学生並みの感想しか出ない。小学生以下かもしれない。ジャンプが何回転だったとか、正直なところ全然わかんないんですよ。フィギュアスケートについては「ユーリ!!! on ICE」というアニメがわかりやすくて面白かったです。

 

しかし、羽生選手は恐ろしい。演技が終わってメダルが確定した後、カメラを見つめて「ありがとうございました」と言っていた。まだインタビューも始まっておらず、マイクもつけていない。声は出していない。視聴者にわかりやすく唇を動かしていたのだ。ファンに感謝を伝え微笑んでいた。あんなことされたら、ファンの人はたまらないだろうなあ。どういうふうに自分が映っているか完璧に把握しており、どう振る舞えばファンに好かれるかすべてわかっている感じ。その完璧さが怖い。恐ろしい子

 

羽生選手に限らず、今のスポーツ選手は本当に洗練された振る舞いをする。変なコメントを言う人など滅多にいない。変人はネット全盛の現代では生きていけないのかもしれない。現代に榎本喜八選手のような人がいるとどうなってしまうのだろう。責任感が強すぎる天才打者である。「天才」というのは、その人の努力を無視しているようであまり使いたくない言葉だけど、やはり天才と言いたくなる。自分を追い込んで追い込んで、狂気の狭間で結果を出すような人なのだ。

 

「ぼんやり構えていたら体が死にます。頭の中で飛んでくるボールを描きます。すると両腕の中の血がじんじんバットに流れこむんです。だからバットを折ったら中から血が流れだすんです」

 

もう、言ってることが怖すぎる。怖すぎて面白い。思い詰めて猟銃持って自宅に立てこもったり、まあすごい人である。こういった繊細な人というのは現代では活躍が難しいのかなあ。スポーツにしろ、芸術にしろ、自分を追いこんで狂気の狭間で戦っている人たちがいる。そんな人たちに、社会人としての模範的振る舞いまでを求めるのはちょっと酷なようにも思うのだ。こういう人たちは、どこか一般人と違う感覚を持っているからこそすごいのであって、多少変なことを言っても仕方ない。温かく見守りたいし、変人は面白いからたくさん出てきていただきたい。

 

 

 

▼先日の日記でバレンタインのことを書いてふと思い出した。ずっと前だけど、付き合っていた子からチョコが届いたことがある。仕事が忙しかったり、遠距離とまではいかないが少し離れたところに住んでいて、あまり会えなかった。宅配便の送り状には品名が「ガラス」と書かれていた。当時は、割れやすいチョコだから「ガラス」と書いたのだろうと思ったけど、それだけではないのかもしれない。

 

現在の関係はとても脆く危うい状況にあり、うっかりするとガラスのようにすぐ割れてしまいますよという警告だったのではないか。本当のところはよくわからないのだけど。当時の私は何も気づかず、そんでそれからすぐに振られたような気がする。今、急に気づいてしまった。モヤモヤする。10年ぶりに電話を掛けて「あのー、送り状の『ガラス』の意味についてなんですけどー」と聞いてみるのはどうだ?

 

怖いわ。おまえ、突然なに? ってなるわ。

 

誰かが送ったメッセージに何も気づかずに生きている。そういうことが他にもたくさんあるのかもしれない。憂鬱になってきたぞお。どうしてくれるんだ。「ゲーム・オブ・スローンズ」観て寝よ。